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初恋は百兆の彼女 9話










美  :  ...んぅ...んっ



気がつくと口を塞がれ腕をロープで縛られて車の椅子に座っていた



美  :  んーんー


男1  :  もう起きたのか


男2  :  ちゃんと薬が効いてなかったんじゃないか


美  :  んーんー!


男2  :  少し黙っとけ。ほら早く飛ばせ


男1  :  あぁわかってる


美  :  ...



私は無言のままどこかへ連れて行かれた










美  :  (どこだろう...ここ)


男1  :  着いたぞ。降りろ


美  :  ...


男2  :  はら早くしろ


美  :  ...



車を降りると目の前に和風な鳥居のような扉があった



美  :  ...



すると横開きの扉がゆっくりと開いていく


徐々に開いていく扉の隙間から真っ黒なスーツに身を纏いサングラスをつけた男が横に並んでいる



美  :  ...


男1  :  ついてこい


男2  :  ほら早く行け!









大きな和風の建物に入ると目の前の大きな階段を登る



男1  :  ほれ


美  :  ケホッケホッ



口についたガムテープを無理やり剥がされる



美  :  ...ここは...


男1  :  大阪だ


美  :  えっ...大阪...?


男2  :  ...おいもうくるぞボソッ


男1  :  あぁ...


美  :  ...なにが来るんですか...?


男2  :  ...一回黙っとけ


美  :  ...



階段を登った先にある赤い大きな縦長の扉が少しずつ開き始める



男1.2  :  ...


美  :  ...




なんでこの人達黙ってるんだろう...


なんで私こんな場所にいるだろう...


まずここはどこなんだろう...




美  :  ...諸星さん...ボソッ




扉が開ききると中には


レッドカーペットを挟むように椅子に座る人と



レッドカーペットの一番先に座る一番偉そうな人




美  :  ...


?  :  一ノ瀬美空さん。こちらへ



一番奥に座る人が言う



美  :  ...


男1  :  お、おい、早く行け!ボソッ


男2  :  早くしろ!ボソッ


美  :  ...はい...



ゆっくりと一歩一歩を噛み締めながらレッドカーペットを進む



美  :  ...



左右の椅子に座る人達に見られながら進む



ここまで連れてきた男二人も私のあとをゆっくりと歩いてきていた










?  :  お待ちしておりました。一ノ瀬さん


美  :  ...誰ですかあなた


?  :  申し遅れました...俺は"豪鬼"っちゅうもんや


美  :  豪鬼!...


豪  :  なんや知ってもらえてるみたいやな


美  :  ...


豪  :  まぁそりゃそうか。だってあの諸星が匿うぐらいやからな


美  :  ...私をここに連れてきてなにするんですか


豪  :  ほぉ〜君自分がどういう人かわかってないのか


美  :  ...あなたも...あなた達も...この目ですよね


豪  :  なんやわかってるやないか


美  :  ...


豪  :  ...おいお前たち


男1.2  :  は、はい!


豪  :  ...ちょっとこい


男1.2  :  ...


美  :  ...



私を連れてきた二人の男はゆっくりと私の横を通り過ぎて豪鬼の目の前まで歩く



男1.2  :  ...


豪  :  ...お前たち


男1.2  :  ...はい


豪  :  よぉやってくれたな


男1.2  :  !


豪  :  たった二人で連れてくるなんてやるやないかお前たち


男1  :  あっ、ありがとうございます!


豪  :  流石俺の部下だ。優秀なやつが多いのう


男2  :  お褒めいただき、ありがたい限りです!


豪  :  そうかそうか。そこでだなお前たちに報酬をやろうと思うんだ


美  :  ...


男1  :  報酬...ですか


豪  :  そうや。そうだなぁ...お前たちに一兆円をくれてやってもいいぞ


男2  :  いっ、一兆円もですか?!


男1  :  そ、そんなもらえませんよ!


豪  :  いいんだいいんだ。これは俺からの感謝の気持ちだ。素直に受け取ってくれ


男1.2  :  ありがとうございます!


豪  :  そうやそれでええんや。あーしまった〜


男1.2  :  ?


美  :  ...


豪  :  その一兆円の準備まだできてないねん


男1  :  は、はぁ...


豪  :  だからそれはお前たちで準備してほしいんや


男2  :  俺たちが...ですか?


豪  :  そうや


男1  :  で、でも一体なにをすれば...


男2  :  お、俺たち金庫の場所なんて知りませんよ


豪  :  ちゃうちゃう。金庫じゃないぞ


男2  :  えっ...じゃあ一体なにを...


美  :  ...


豪  :  そんなん決まってるやろ



豪  :  そこに百兆あるんやから自分たちで取れや



男1.2  :  えっ?!


美  :  ビクッ!...



美空は少し後退りをする



豪  :  だから百兆を自分たちで取ってそのうちの一兆を自分たちで分ければいいだけやんか


男1  :  えっ...俺たちがやるんですか...?


豪  :  せや。じゃなきゃ一兆円払えんやんか


男2  :  え、でも...


豪  :  ごちゃごちゃうっさいねん。はよ欲しいねんならやれや


男1.2  :  ...


豪  :  はぁ〜急に使えんくなったのう。もういいとりあえず別の部屋に閉じ込めておけや


男1  :  ...かしこまりました


豪  :  はっ。こういうときだけ聞けるんやな


男2  :  ...


男1  :  ...失礼します


美  :  あっ...


男1  :  ...はよこい






そのまま男たちにつられて部屋を出ていった












続く

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