暗殺者とファン 28話
その場で事情聴取などを終えた俺は田村さんやスタッフ達が運ばれた病院に向かった
病院に着くとすぐに手当が始まったらしく手術室に運ばれたらしい
桐 : ...
手術室の前で手を合わせただひたすらに祈りながら待機するしか俺には残されていなかった
ピリリリリ
すると俺の携帯に一通の電話が
桐 : ...
ガチャ
桐T : ...誰ですか
託T : ...久しぶりだね...桐野
俺の電話相手は俺の"敵"である託途さんだった
桐T : ...なんのようですか
託T : あと少しで桐野がこっちにまた戻って来れたのにな〜と思ってさ
桐T : ...チッ
桐野は強く下唇を噛み締め手を強く握る
託T : どうしてこう良いとこ良いとこで邪魔が入っちゃうんだろうな〜
桐T : ...要件はそれだけですね...それじ...
託T : あーあと一つ
桐T : ...なんですか
託T : さっき撃ったのは椿だからね
桐T : っ!...椿が...
託T : それじゃ
ツー、ツー、ツー
桐 : ...許せない...
すると手術室のランプが消え先生が出てくる
桐 : 先生皆さんはどうなったんですか?!
先 : ...残念なから助かったのは一名だけでした...
桐 : ...そんな...誰が助かったんですか...
先 : あの銃で撃たれた方ですね。幸いにも急所からは外れていたので手術は成功しました
桐 : ...そう...ですか
先 : ...ただ他の方々は...
桐 : ...先生、最後までありがとうございました...
では..,
俺は踵を返して病院から出た
メンバーみんなが避難した事務所に帰ってきた
ガチャ
遠 : あっ...
桐 : ...
控え室にそれぞれが座っている
自分の席を立ち俺の目の前までくるさくら
遠 : どう...だったの
桐 : ...田村さんは助かった...けど...スタッフさん達は...
遠 : そんな...
俺のその言葉を聞いたメンバーは皆んな泣いていた
それはさくらも...
遠 : グスッグスッ...私のせいで...泣
足から崩れ泣くさくらをそっと抱きしめる
桐 : ...さくらのせいじゃない、俺のせいだよ
遠 : グスッグスッ...泣
俺はただひたすらに泣くさくらを抱きしめるしかできなかった
遠 : グスッグスッ...泣
桐 : ...大丈夫?
遠 : うん...一旦落ち着いたよ。ありがと
桐 : ...うん
その時の桐野は覚悟を決めたような顔をしていた
桐 : ...
遠 : ...どうしたの
桐 : ...社長...どこにいるか分かる?
遠 : ? 多分社長室にいると思うよ
桐 : ...わかった
そのまま立ち上がり部屋を出て行ってしまった
コンコンコン
社 : ...入れ
桐 : ...失礼します
扉を開き社長の机の前まで歩く
社 : 榊くんじゃないか。どうしたんだ
桐 : ...単刀直入に申し上げます
桐 : "俺を遠藤さんの警護から降ろしてください"
続く
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