初恋は百兆の彼女 6話
すこし時を遡り
悲 : ふん、ふん
叡 : スッ、スッ
悲 : なかなかやるやんけ
叡 : 諸星さんは逆に衰えてるんじゃないですか?
悲 : お前に心配されるほど堕ちとらんわい
叡 : はは笑その余裕がいつまで続くか楽しみですね笑
悲 : お前こそ避けてばっかで全然攻めてないやないか
叡 : 私は攻めれてないんじゃないです。攻めてないんです
悲 : お前こそその余裕が続くといいな
叡 : ...ならこちらから攻めさせてもらいます
悲 : なっ早い!
叡 : ふん、ふん、、はぁ!
悲 : ぐっ、ぐっ、ぐはっ!
叡 : どうしたんですか?そんなものですか?!
悲 : くっ...
一方的に殴られ続ける諸星
悲 : ...ちっ、いいかげんやめろや!
叡 : おっと、危ない危ない
悲 : はぁはぁはぁ...
叡 : 昔とは大違いですね
悲 : ...お前はどうしてそんな俺に勝ちたいんや
叡 : ...私は豪鬼さんの後輩になったとはいえ、あの頃の"俺"は諸星さんに憧れてたんです
叡 : 豪鬼さんのように強くもない私のこともよく気にしてくれていたり、私の仲間としてライバルとして時には戦ってくれました
叡 : ...俺はそんな諸星さんの強さに憧れてたんですよ...なのに貴方は組を抜け私から遠ざかった...
叡 : なぜかあの頃の私はその時に、勝ち逃げだとずっと思ってしまっていた...
叡 : ずっと勝ちたいと思っていた人に一回も勝てなかった...それがずっと悔しかったんですよ...
悲 : ...お前は俺には一生勝てへん
叡 : っ!なんでそんなことが言い切れるんだ!
悲 : ...いいだろう。今ここでお前が俺に勝てない証拠を見してやる
悲 : おらっ!おらっ!
叡 : くっ、早い...
悲 : ふんっ!ふんっ!
叡 : くっ、ぐはっ!
悲 : おらおらおらおら!
叡 : ぐっ、うっ、がはぁっ!...バタン
悲 : ...
叡 : ...また負けた...だと
悲 : ...これがお前が勝てない証拠や
叡 : ...最後に...教えてくださいよ...勝てない理由が...なんなのかを...
悲 : ...
悲 : ...強い信念や
叡 : 信念...だと?!
悲 : あぁ
叡 : ふざけるな!そんなこと!誰が信じるか!
悲 : ふざけてなんてあらへんわ。まじのおおましや
悲 : ...生きる理由の一つには...お前みたいに倒したい相手がいる、守りたいものがある、それぞれ理由があるはずや
悲 : "...今の俺には、守りたいものがあんねん"
悲 : ...その守りたいものを守るためには自分が強くあらへんとあかんやろ
悲 : ...そいつの悲しむ顔を見たないんや
悲 : ...まぁ俺が勝たへんと死んでしまうからもあるがな
叡 : ...そんなことだったんですね...
悲 : ...お前は勝ちたい、というよりかはこ〜なんていうか...
叡 : はは笑...やっぱり俺の憧れた貴方には敵わないですね...笑
悲 : ...またな
叡 : えぇ...また
ガチャ
悲 : 戻ったぞ
祐 : あっ諸星くん!
笹 : よく帰ってこれたな
悲 : あぁ、まぁぎりだったがな
美 : 諸星さん!ギュッ
悲 : ...すまん。心配させたな
美 : ...無事で...よかったです泣
悲 : ...美空
与 : ...ふふ笑(よかったね美空ちゃん)
悲 : そうかそっちにも来ておったんか
笹 : まずなんで二人で出かけてるんだ
祐美 : ギクッ!
笹 : 祐希〜?
祐 : ご、ごめんなさい...
笹 : ...でも無事でいてくれたよかったよ
祐 : で、でも美空ちゃんもお出かけしたいって言ったもん!
美 : ゆ、祐希さん?!
悲 : ...めんどくさいことしよって
色々なことがあり、夜
ガラガラガラ
美 : 諸星さん
悲 : なんやまた来たんか
美 : だってまたいるんですもん笑
悲 : ...まぁな
美 : ふふ笑好きなんですか?ベランダ
悲 : ...いやそんなでも
美 : そういえば笹崎さんの下の名前知ってますか?
悲 : ...知らん
美 : 魅刀(かいと)って言うらしいですよ。今日祐希さんがそう呼んでたんですよ
悲 : ほぉ〜ん。知らんかった
美 : 私って物知りでしょ〜笑
悲 : なに言ってんねん
美 : そういえば
悲 : あぁん?
美 : たばこ...やめたんですか?
悲 : ...あぁ、やめたわ
美 : ...なんでですか?
悲 : ...お前嫌がっとったやろ
美 : ...別に嫌がってなんて
悲 : ...まぁいいんや。お前には生きてもらわなあかんねんからな
美 : えっ...
悲 : ...あっ、別にお前を助けるって意味で言ってるだけやからな。先戻ってるぞ...
美 : ...ばか
続く
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