1ヶ月の転校生。あと30日
いつもと変わらない朝
教室の扉を開け大きな声で俺の担任が喋る
担 : はーいお前ら席につけ〜!
よくある台詞だなと思いつつも自分もしぶしぶ席に座る
担 : 実は今日から転校生がこの教室に来るんだ
するとクラス中がざわつき始める
男1 : うぉまじかよ!女がいいなぁ
女1 : 先生もしかしてちょーイケメンの男だったり?
担 : はいうるさいぞお前らー。とりあえず入って来てくれー!
廊下に待機している転校生に呼びかける先生
その大きな言葉を聞いた転校生が中に入ってくる
男1 : よっしゃーー!!
男2 : 女だーー!!
男3 : しかもちょー可愛いじゃん!!
予想の外れた女子たちは悲しがるかと思っていたが
女1 : えっ、ちょーかわいくね?
女2 : 同い年にみえないんだけど...
その流れを打ち切るかの如く担任が喋る
担 : はいこのクラスに転校して来た"阪口"さんです。
担 : 皆んな仲良くするように!
クラス : はーい!!
阪口さん
髪は少し長くセミロングぐらい
制服の上からでもわかるスタイルの良さ
そして整えられた綺麗な顔
珠 : 阪口珠美です!よろしくお願いします!
担 : 阪口のお父さんはな出張が多くこの転校も何回目かなるそうだ
担 : そしてさっそく悲しい報告にはなってしまうんだが
"後1ヶ月後にはまた転校してしまうんだ"
クラス : えぇー!!
男1 : そ、そんなぁ...
男2 : お、俺の青春ライフがぁ...
担 : とりあえず1ヶ月はこのクラスで過ごすから仲良くしてやってくれ。席はあそこな
珠 : はい
突然告げられた二つのこと
一つは1ヶ月でまた転校してしまうこと
もう一つは...席が後ろなこと
俺は出席番号が最後だったので窓側の一番後ろに座っていたがその後ろに来たのだ
チョンチョン
〇 : ん?
後ろから肩を優しく叩かれ振り返ると
珠 : 君、名前はなんていうの?
俺は驚いた。転校生からそう話しかけられるとは思ってもいなかった
〇 : お、俺は〇〇。よろしくね阪口さん
珠 : よろしくね〇〇くん
一度話しただけで相手を魅力的にさせる笑顔
多分誰とでも仲良く慣れるんだろうなと思った
転校初日でわからないことだらけだったからとりあえず席の近い俺が色々教えることになった
そしてその日授業が終わり放課後
今日は部活もないしまっすぐ帰ろうと思った矢先
阪口さんに話しかけられた
珠 : ねぇねぇ〇〇くん
〇 : どうしたの?
珠 : ちょっとお願いがあるんだけどいいかな?
そんな可愛い顔でお願いして断る男子がどこにいるんだ
〇 : 大丈夫だよ
珠 : やった!ありがと!
〇 : お願いってなに?
珠 : 私後1ヶ月で転校しちゃうじゃん?
〇 : そうだね
珠 : だからここでの思い出を濃いものにしたいの!
〇 : うん。で、なんで俺を?
珠 : だから協力してほしいの!
〇 : んっ...まぁ、いいけどさ
珠 : ほんと?!ありがと〇〇くん!
嬉しそうに手を叩きながら跳ねる
〇 : じゃあ今日から?
珠 : いや、この後職員室行かないと行けないから今日は大丈夫。明日からお願いしたいな?
〇 : わかった
俺と阪口さんの1ヶ月が始まる
続く
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