ニッポンフードシフト×京都芸術大学 Jチーム

CSAのバージョンアップと食について考える、新しい居酒屋の提案。


【探求テーマの設定について】

まず私たちは、原料の価格や輸送費の高騰、人件費上昇などによる「食品の値上げラッシュ」という社会背景から、安い外国産の食品を選んで購入する人が多いということが日本の食料自給率が上がらない原因の一つだと考えました。


そこから私たちは「日本の食品価格」について調べ、現在、日本ではこのような悪循環ができている事がわかりました。

ここで私たちはこの悪循環から抜け出し、良い循環を作ることを課題としました。


【リサーチについて】

まず初めにデスクトップリサーチで農家さんが行っている、CSA(=Community Supported Agriculture)という取り組みを知り、フィールドワークでナチュラリズムファームさんへの訪問を通して、より詳しくCSAについて話を聞きました。フィールドワークを終えて感じたことは、CSAは直接販売で野菜を売っているのですが、そこでは規格外野菜の概念がないため、廃棄の数も減らすことができるという点。さらに、直接顔が見える関係で行われることから、人と人との繋がりが生まれたり、そこから農業に興味を持ってもらうことで、新規就農者を獲得できるのではないかという事も考えました。CSAには、持続可能な農業につながる利点がたくさんあると感じました。


また、現在では個人だけでなく、会社と契約し社員が利用できるCSAもあるそうです。

そんなすごい CSAですが、欧米ではCSAを支える組織が数多く存在し活動しているのに対し、日本ではまだ数が少なく、CSAが定着しているとは言えませんでした。

【課題発見について】

このように、CSAに対して認知が少なく、参加者が少ないことがCSAの課題です。
そこで私たちはZ世代である高校生や大学生の男女40人にCSAについてのアンケートを実施しました。


アンケートの結果から40人中37人が知らないと分かり、私たちの周りではCSAについて知っている人はほとんどいませんでした。またCSAという取り組みを知っても、利用したく無いと答えた人は半分もいて、
・野菜を使い切れるかわからないや、
・学生なので前金を払うお金に余裕がない
などの理由が多く挙げられました。

【解決に向けてのアイデア】

「解決に向けてのコアアイデアは今までのCSAとは違う、新しいCSAの形を生み出す。」

このCSAの認知度の低さを解決すべく、私たちはZ世代にCSAの認知を広める方法を考えました。それは飲食店と契約し、誰もがCSAに参加できる場所を作る事です。具体的に言うと、「食について考える、新しい居酒屋」をコンセプトにZ世代がCSAをもっと身近に感じられるような居酒屋『TSURU』を考えました。

これまでCSAは生産者から消費者、そして先ほど少し紹介した会社と契約して行うものが一般的でしたが、これらをver1.0、ver2.0として捉えて、飲食店でCSAを行うver3.0を新しいCSAとして、提案します。
このCSA ver3.0については、大型ポスターで説明を行い、店の詳細については3Dで作った空間のループ映像を用いて表現します。


神戸の展示風景


【社会に実装されることでどうなって欲しいか。】


私たちJチームはこの店の体験を通して、CSAについて知ってもらいもっと食に興味を持ってもらいたいと思っています。そしてCSAの第一歩を踏み出してほしいと考えています。
今の若者が食品価格問題の悪循環について知り、社会が良い循環になるように考えてもらうきっかけを作ります。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?