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宇宙戦争のトライポッドが持つ唯一性

H.G.ウェルズが書き上げた「宇宙戦争」というSF小説がある。発表は1898年と120年以上前になるのだが、現代に読んでもとても面白い。地球に侵略してきた火星人の冷酷さや火星人の容姿、その兵器に対しての設定がよく寝られているため、一世紀以上も昔のイギリスを舞台にしているにも関わらず、グイグイとその世界に引き込まれながら読み勧めてしまう。



地球人を襲う宇宙人


その火星人が乗り込む戦闘兵器がトライポッド(劇中で言及された名称ではいないが今はこちらが一般的な呼び名だと思う)と呼ばれる、巨大な頭部と三本の脚を持つ兵器だ。火星人は火星の環境に適して言った結果、タコのような外観をしておりトライポッドは火星人にとっての人型兵器として登場する。つまりトライポッドは火星人のための兵器として劇中で描かれているのだが、その後トライポッドを模した宇宙人が乗る兵器がいくつも出てくる。巨大な頭部と三本の脚部というシンプルなデザインラインのため探せば他にもあるだろうが、私がそれと気づいたのは伝説巨神イデオンに出てくるバッフ・クランの兵器、ドグ・マックだ。イデオンにはドグ・マックの他にも同じデザインラインをもったバッフ・クランの兵器が何種類もあるため、イデオンの放送当時の感覚として、トライポッドがどれだけ宇宙から来る侵略者としてピッタリのイメージだったのか想像することができる。
火星人のため兵器として描かれたトライポッドのデザインは、強い存在感を持って小説の中で動き回ることにより、普遍的な宇宙人の兵器として認識されたのかもしれない。

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