心霊現象再現ドラマ・『霊のうごめく家』6
『霊のうごめく家』と小津安二郎
「小津安二郎がホラー映画を撮るならば、どんな作品となるか」。これが鶴田法男にとって『霊のうごめく家』の演出方針であった(※37)。
小津安二郎はホラーを撮っていないが、視聴していると恐怖を感じるという証言は少なくない。なにかとホラー映画の要素を見いだしてしまう黒沢清だけではない(※38)。中村秀之の論考『「紀子」の首—『晩春』の無気味さについて』では、ある日の深夜、テレビ放映されていた『晩春』(1949年)を視聴しているとき、いわ