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「怪物」 感想

是枝裕和監督5年ぶりの日本映画「怪物」を観に行ってきました。



見たらわかるけど凄い笑
是枝監督は、人間の心理を深く考察した、社会の不条理であったり、生きづらさというものを映像に描くのがとても上手で、今回の映画「怪物」でも、そのタイトル通り、自分にとって怪物的な存在は、別の視点では善人であるし、さらにその人にとって誰かが怪物となっていたりする。誰しもが怪物となりうる現代社会を羅生門形式で描かれている。



今作を通して、学んだこと・感じたことは3つ。



1つは、子供の世界は、周りの大人に左右されてしまうこと。

自分の子供時代はこういう世界に見えてたというものは具体的には無かったけど、振り返ってみると、何というか、今とは違う純粋無垢な誰にも邪魔されない世界を持っていたとは思う。それは僕の周りの環境がそういう自由にさせてくれたり、良い仲間たちが居たからこそ形成されたものだからだと思う。



ただ、今作に登場した子供たちは、シングルマザーや虐待などの家庭環境やいじめや体罰問題などを抱えている子供たちが登場したが、それらの影響によって、子供たちの世界がどんどん狭まっていき、子供自身も戸惑い始め、そして大人もその親も知らない世界を子供たちは抱き始める。結局子供たちの世界を狭めているのは周りの大人たちだと感じた。



2 つ目は、自分は誰かにとって怪物となっているのか。

自分は正しいと思っていることは本当に正しいのか。
ある一言は自分にとってなんともない一言かもしれないけど、知らず知らずに相手を傷つけているかもしれない。


今後、社会に出る者として自分の発言・行動、一挙手一投足に注意しながら行動していきたいと感じた。また、今作を通じて、主観と客観で物事の捉え方がここまで変化するのかととても驚いた。



最後は、人間の本質について。

これはまだ自分でも完全に理解していないし、22歳の段階でしてしまうと少し人生がつまらなく感じるのでゆっくり仮説・検証をしていきたいと考えているが、今作で、自分なりに大枠は掴んだかなという印象。
漫画キングダムで登場していたが、人の本性は”善”か”悪”について。今作を通じての個人的な考えは、どなたかの文を少し引用する形になるが、「この勧善懲悪では捉えきれない複雑さこそが人の本性」ではないかと考えている。



これについては、まだしっかりと理解してないのでまだ深くは書いたりはしないけど、今世界で行われている戦争もそうだけど、どちらも正義の名の下に他人の疑念を糾弾しあって、戦争に発展していたりするし、先日のニュースで正しい情報かわからないけど、ロシアの兵士が仲間から攻撃を受けて、ウクライナ側に助けを求めていたり、今作でも、人間の「怪物」所謂「悪」の側面に注目していたけど、友人がいじめられていたら庇ったり、愛する子供のために何でもする親であったりと、人間の素晴らしさにもフォーカスされていた。そういった部分から、善・悪どちらでも捉えきれないからこそ面白い生き物なのかなと感じた。






あと、身近のように感じるリアリティ、そしてそれを引き立てる坂本龍一さんの音楽、この2つが相まって心に焼き付く映画となっていました






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