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サンダルはやさしくない

日曜日の昼下がり、前方の横断歩道を少女が3人歩いている。真っ直ぐに右手を上げているところを見ると、この春1年生になったばかりかもしれない。

しばらくすると、少女が1人、うつむき加減でゆっくり歩き、時どき止まる。2人の少女はその都度振り返る。そんな様子は、ゆるい登り坂だから、後ろを歩く私からもよく見えた。

しばらくすると、1人の少女は完全に止まってしまった。
そのころ私も追いついて、状況が理解できた。

歩き止まりしていた少女は、ビーチサンダルを履いた足が痛くて歩けなくなったようだ。2人の少女が様子を見ている。

うん、ビーチサンダルは長く歩くと足が痛くなるよね。絆創膏、持っていたかな。いや、ない。
「おうちに帰って、靴に履き替えておいで」
って言った方が良いのかな。

喉元まで言葉が出てきたけど、声にはならず、そっと少女達を追い抜いた。

1年生の行動範囲は、最大徒歩20分か30分程度だろうか。
これから遊びに行くにしても、帰宅するくらいの時間は大したことないはずだよ。
痛い足を我慢するのは、楽しくない。

彼女達はどのようにするのかな。
私という知らない大人が口出しすべきじゃないよね。
彼女達の決断を見届けることはできなかったけど、あれこれ考えて悩んで、”友だちのことを思って大切にすること”を見つけてほしい、と思う。

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