ケンタッキーダービー
「スポーツの世界で最も偉大な2分間」と言われるほどアメリカでは格式の高いケンタッキーダービー。ダートの本場アメリカで今年150回目を迎える伝統のレース、一度も中止になったこともなく観客もおよそ15万人、テレビの視聴数も1500万人程度。規模がでかすぎる、そんなレースに日本からフォーエバーヤングとテーオーパスワードが出走できるのは光栄に余ります。特にフォーエバーヤングは国内路線を飛ばしここを目標に針の穴を通すようなローテーションを組んできた。サウジダービーを快勝しそのままドバイへ、ドバイのUAEダービーで勝てばケンタッキーダービー出走のポイントがもらえるので何としても勝たなくちゃ行けない、逆に負けたら出走が難しくなる戦いを制してここに参戦。テーオーパスワードはケンタッキーダービー選定レースの伏竜ステークスを制して出走。
それにしてもサウジ→ドバイ→アメリカとタフな輸送を続けて調子を大きく落とさないフォーエバーヤングの体はタフ。1週前追い切りでは調子があまり上がらない様子が伝わってきましたが坂井騎手も追い切りの為だけに日本からアメリカへ、追い切りが終われば日本のレースがあるのでとんぼ帰り、1本の追い切りの為に片道16時間飛行機に乗っていくだけでも相当な意気込みが伝わってきますしガチンコでアメリカ競馬の歴史を掴みとろうと思っていたのでしょう。
レース前日の馬場状況は田んぼかと思うほどの最悪の状態、勇気ある決断(出走回避)も必要なんじゃないかと思うほどでしたが当日は快晴でなんとか走れるような馬場状態(良馬場)になっていたので一安心、無事に出走することが決まりました。
レース前にザウォークオーバーという厩舎からパドックまで何十人の関係者が馬を引き連れて馬場を歩いていましたがとんでもない人の数、日本の競馬では見たことのない光景が広がっており日本馬2頭には二人、三人位しかついておらず少し寂しい光景、馬も慣れていないのでそっちの方がよかったと思いますがその光景を見て私たち競馬ファンは朝からグリーンチャンネル見て日本から応援してるから頑張れよという気持ちになりました。異国の地で初めて見る光景は馬にとっても戸惑う方が大きいはず、そんな中落ち着いて歩けていたのは精神的にもたくましい。超えなきゃいけない壁を一つ乗り越えたのかな。
いよいよレース本番、21番目のゲートに馬が入りスタート。ここでまさかのフォーエバーヤングゲートを出て出負け、横にももたついて最悪のスタート。テンから各馬ぶっ飛ばし、早くも先頭から10馬身程離される。この時点でやっちまった感ありまくりなうえに1コーナーから2コーナー付近で前目にいこうとするも前の馬に塞がれてブレーキ。後方4番手からの競馬を余儀なくされる。そこから徐々に外目を回りながら最終コーナーもかなり外を回りながら詰めてきました。最後の直線、行けそうな脚を見せていたものの隣のアメリカの馬が押してくる。負けじと押し返しているが徐々に内に追いやられながら内前でロスなく競馬していた馬と、2頭ぶつかりながら併せできたフォーエバーヤング3頭がゴールイン。差せなかったように見えました。しかしあの横にいたアメリカの馬のジョッキーは最後に手まで出してきた。なんとしても日本馬に勝たせないというダーティーな手法。あんなの許されてもいいのか?馬もぶつけられて横にも力を使った分で勝てなかった。一番強い競馬だし一番強い馬はフォーエバーヤングでした。だけど結果は3着。本当に悔しかった。最後にぶつけられずに直線走れたら日本初のケンタッキーダービー勝利だったはず、悔しいです。その言葉しかでてこない。馬はよく頑張った、日本の誇りです。でももう次は出れない、それが一生に一回のクラシック。惜しいことをしました。やはり能力があっても全てのピースがうまくはまらないと最高峰のレースは勝てないと痛感。矢作調教師も悔しいと涙をこらえていましたが我々日本で応援していた競馬ファンも同じ思いだったと思います。でもこれで終わりじゃありません。BCクラシックもあるしまだまだ3歳、ここからです。希望も持てました。今はゆっくり帰国して休んでほしい感動をありがとうフォーエバーヤング。
テーオーパスワードも全然見てなかったけどしれっと5着入線してました。日本馬2頭本当にお疲れさまでした。
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