見出し画像

49 2人で出掛けたい。最後のデートは叶わなかった話。不倫編

  最後に会った去年の7月。
私の5年にわたる不倫を締め括るデートに行けなかった話。

 ケンカして仲直りして会って2日間、
私の側に居た時の話。
彼は友達のアパートに帰省して寝るだけで朝から私との時間を過ごしていた。 
 子どもは週末+祝日で休みだから家に居た。 ごめん、って言いながら
朝から夜まで留守番をさせていた。
 『又、出かけるの?又、夜に帰るの?』 
 私が居ない間はゲーム三昧で良かったかもしれないが本当は寂しかったんだと思う。
 私は連日、こちらに帰って来たB君との時間を過ごしていた。
 もういい加減、我が子との時間を取らないと怪しまれるし何よりほったらかしで
可哀想で、、、 
 B君は以前、私と出掛けた事のある隣の県に行きたいと言ってきた。
 せっかくこっちに返って来たし思い出の場所に行きたいと。
 そうだね、行ってみる?とオッケーしたもののやはり連日ほったらかしていた我が子の事が気になって。
 『うちの子連れて行ったらだめ?もう2日間も朝から夜まで留守番させてるし』と
言ってみた。
  『イヤだよ2人だけがいい』と
 分かりきった答えが返って来た。
そこで私はグジグジ言わない。
 あと少し、あと少しだから2人だけの
時間を過ごさせて欲しい 我が子との時間はこれから先まだまだある。
でも彼との時間はこれからあるかないか分からない、 限りある時間だからやっぱり一緒の時間を過ごしたい。 後少しだけ‥

 私は迷わず我が子に
『明日も出るけどごめんね』と言った。
素直に『分かった』って。

 私のやっている事、気づいてないだろうけど
めちゃくちゃ苦しくなった。
 三日間子どもほったらかしてる。
心なしか我が子が怒っているように見えた。
 やっぱりヤバいな、寂しがってる。
すぐに私はB君に連絡した。
『うちの子連れて行ったらダメ?何か怒ってるわ、ずっと留守番させてるから』

 いくら話しても2人きりがいいって
聞く耳もたない。 私も怒られる、
嫌われるの覚悟で 出かけないって言った。
 もう仕方ない、何言われようと
これで最後になろうと我が子は私しか守る人居ないから…  
  こんなやりとりをしてますます
自分の立場が嫌になったし彼も我が子も両方に良い顔してる自分も気持ち悪い。

 試しに行くか行かないか分からないが我が子に
『明日B君と〇〇に行く予定なんだけど
一緒に行く?』と聞いてみた。
 『行かない、ママだけ行けば?』と。
それでも連日家に引きこもりせっかくの休みを
ゲーム、TVで1日を終えてしまうのは私も気がひけたからしつこく誘ってみた。
何回もB君に会って父以上に話してるから
恥ずかしがる事もない。
  B君が行こうって言ってると嘘ついてみたらその気になり『じゃあ行く』と返事。

すぐ、B君に子どもが出かける気になってるから 3人で行こうよ 2人の時間はまだあるからと説得。
やっぱり2人きりが良いってすぐには
オッケーしなかったが、何とか承諾。
翌日は3人でお出かけの予定にした。
 翌朝になり子どもの様子がおかしくなってしまった。行きたくない、ママと2人なら行くけどB君が居たら嫌だ と逆にうちの子が
拒否し始めた。
B君は行く気になってるけどうちの子は行きたくないって言いだす始末。
 完全に参ってしまった。 私は化粧して出る気マンマン 子どもは寝たふりしたり
行かないって怒り出す。
 もう家を出ないといけない時間になって
彼からはまだ出ないか?とLINEや電話が
かかってきて…
  あまり感情を出さない我が子が
久しぶりに怒っていた。
 行かないってソファーにふさってしまった。

もう仕方ない、私だけ行くか?
 B君とやり取りをする中で
『もしかして僕達の関係を気づいてる?』と
言われた。
実は私も同じようにそれを思っていた。
 男女の仲を疑ったか?
友達ってずっと思っていたはず。
 私が嘘をついて化粧して出る
それを何となく勘付いて問うことも出来ずに
ただただ嫌な感じがしていたんだろう。

 私は もうB君がこっちに帰って会う機会も減るかもしれないから行こうよ 
そう強引に言って嫌がるのを無理やり着替えさせて車へ乗せてしまった。
 案の定、シートを倒して無言で目を閉じていた。  こちらから話かけても無視。

 やばいな、これは完全に私がやらかした。
数分後、B君がいるアパート前に到着した。
出て来るのを待っていると
泣いている…   何も言わずに涙がポロポロでて
顔をかくしていた。

 もう出かけるのを中止しよう…
私はすぐUターンして家に戻った。
 『ごめん やっぱり帰ろ』
家に着いたら車のドアを思いっきり閉め走るように入って行った。

 私はすぐB君に電話して子どもの状況を話して謝った。行けれなくなった事、謝って
せっかくの休みを無駄にした事 とにかく
あやまった。  
    こんな時が1番悲しかった。
彼も我が子も平等に出来ないもどかしさ
 家族が居なかったら普通に出かけれていたのに、、  どちらかを大切にしたら
どちらかが疎かになる。 
  普通の人なら当たり前に我が子が1番でしょう?でも私は婚外恋愛に夢中になり過ぎて
彼を大事に思ってたんだから、、、
  旦那は眼中にない。
 やっぱり私は人間が腐っている。

今から思えば、あのまま彼と出かけていれば
最後のデートになっていたんだ。
 きっとそのデートはいつまでもいつまでも心に残って
思い出されて今ごろ悲しくなっていたろう。
 最後のデート、行かなくて良かったんだろうね そう思いたい。
  今まで旅行をした場所、出かけた場所
たくさんたくさんあるけどやっぱり
悪い事をしていた訳で、人にペラペラ喋る事はできないし写真もあまり撮れない。
 その時、その場所で私は必死に覚えておこうと思いながら見ていた。
 いつか あぁ懐かしいなって振り返る日が来るんだよね そう思って目に焼き付けていた。

  叶わなかったデートの翌日は
駅まで送った。いつもなら新幹線のホームまで入って見送るんだけど、
連日、子どもほったらかしでその前日は
子どもが怒って泣いた事もありとにかく早く家に帰らなきゃ そう思ったら
新幹線ホームまで行く時間も勿体無い。
 ごめんね、ここでイイかな?
そう言って駅の送迎ターミナルで彼を降ろして見送った。
 『アリガト気をつけて帰ってね』 そう言われた。 
『バイバイまたね』
 簡単に最後の挨拶をして別れた。
いつもなら何度も振り返りバイバイって手を振るのもお互いに無い。車から降りて振り返る事なく歩いて構内へ向かっていた。
私は早く帰らなきゃ そう思って急いだ。
 新幹線に乗った、とLINE来た。
 またね、元気で頑張ってよ と返事したけど そのまたね  は無かった‥
あれが最後だった。
振り返らず行った彼と名残惜しくていつもなら泣いるのに私は泣いてない。
あれが最後になるなんて私は思って無かった。
 新しい彼女が出来て話した時に
今まではとにかく、私に会いたかったから
休みのたびに帰りたかったし実際時間やお金がかかっても帰っていたでしょ?
 1人でさみしかったし〇(私)は家族があるから自由になれない、コッチにはあまり来れないし 自分が帰るばっかりだった
 帰りたい帰りたい そればかりだった。
でも今、彼女ができたらもうそちらへ
帰らなくってイイかな と思いだした。

 こう正直に話された。
そりゃそうだよね お金や時間の無駄だもん。近くの彼女と過ごす方がいいに決まってる。

 あれだけ頻繁に帰って来ていたこの地に彼はおそらく1年は来てないだろう。

 もうこれで良かったんだよ
それぞれの人生だから邪魔はしない
ましてやこれからがある人の人生は尚更
邪魔しない  
私は私の人生を進もう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?