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お茶目でもいい

私はわりと未練がましい方だと思う。

パチンコを打ちにいき、いったん出るも全て飲み込まれて、玉がなくなったとき。受け皿に残る1個のパチンコ玉を丁寧に打って、その玉がチャッカーに入ることをお祈りするような人間でもある。

話はまったく関係ないところから始まってしまったが、シンデレラファイトシーズン3のグループA#1のオーラス。

9300点差をつけて3着目の安藤pに対し、満貫条件の栗本pがまさかの満貫を達成。安藤pもまさかの初戦敗退の瞬間であった。


この時安藤pは点棒を支払った。

そりゃそうだ。

誰でも点棒は払う。

しかし、私はこの時の安藤pの表情がわりと印象に残った。

敗退が決まった瞬間。その表情に全く動揺はなかった

たぶん。


その時の安藤p


もし私が同じ立場なら地団駄踏んで悔しがるだろう。きっと帰りの飛行機でも悔しさ満々。そして数日その悔しさを引きずるだろう。

しかし。

安藤pは変わらず平静だった。

「分かりました。私は敗退ですね。参りました。栗本pおめでとうございます(笑顔)」

とでも言わんばかりに。

誰にも分からないぐらいのスピードで、「驚き」→「落胆」→「回復」→「平静」という過程を踏んだに違いない。(個人的妄想です)

そして、その点棒を支払って卓の上に置く頃には

「帰りの飛行機は何時だったかしら。釜飯弁当でも食べて帰ろうかしら」

と、既に視点は未来に移っていたとしても不思議はない。

(個人的妄想です)



しかし思えば安藤pに関してはこの場面だろう。

「ほぼ通過」というムードが漂っていた南1局のこの場面。

この時3着目の羽月pがカン2sをリーチでかけていたが、youtubeで「りなたん ここは降りていいよ!」というコメントも流れていた。

そうなんですよ。

降りて良い。

なんだけど、今になってこの場面を見ると安牌という安牌がまったくないことに気づく。

少なくとも自分で4枚持っている4sでノーチャンスとなっている2sは候補にならざるをえない。そして2sを打って羽月pへの放銃。面前3色で裏も乗りながら8000点で済んだのが不幸中の幸いではあったがターニングポイントにはなってしまった。

ちなみに、試合後の反省会で「5sの方が良かった」という細川pであったが、解説の細川pでさえ5sに気づくまでにはかなり時間がかかっていた。

比較的場の進行がスムーズなシンデレラファイトの場合、選手に与えられている時間は正直それほど長くないし。

いや、あそこで5sは打てないよ。(素人意見です)

でも、この後一気に点棒を減らすかと思いきや、南3局で2000オールを上がり返すところはさすがてんぱいクイーンだなぁと思った。

グループAでは本命と見みられていた安藤pが敗退となってしまったが、会場を去る安藤pはやはり平静。聖母マリアのような笑みをたたえていた。

麻雀に関してはいろんな見方があるから、私ごときがあれこれ言ってもあれなのですが、正直安藤pのこの日の姿(立振舞)を見て、美しいと思った。

もともとお美しい人ではあると思うが、単なる美しさとは何か違うようにも思う。

きっと東京グランメゾンに冨永愛が出ているようようなもの、いや、半沢直樹に北大路欣也が出ているようなもの。(えっ?何のことか分からない?)

それでドラマが引き締まるのだ。


・・

結果的に安藤pは私の脳裏に大きなインパクトを与えて去って行った。


少なくとも

安藤pは残り1個の玉をパチンコに打ってお祈りするような人ではない。

でも、そんなお茶目な部分があっても、それはそれで可愛いかもしれない。(結局なんでもいいんかい!)



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