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おき去りマーメイド


チーム内唯一のマイナス


2021年3月10日。フェニックスはレギュラーシーズンの最終日(89日目)を3位という好位置で迎えていた。

このシーズンの敗退はドリブンズと雷電で確定しており、MVP争いは前節に茅森pが陥落。この日の2試合は基本的に素点を稼ぎに行くだけの試合でもあった。

第1試合の出場者は

直近3試合で3連敗を喫している風林火山の瑠美プロ
個人ポイントがチーム内で唯一のマイナスの魚谷プロ
4年連続200ptまであと10.5ptの多井プロ
ここまでほぼ出番がなかった丸山プロ

の4人

試合は南4局に全員集合となる展開になったが、さすがの多井pが上がりを決めて終了。多井pは4年連続の200ptを達成。

@ABEMA @麻雀ウォッチ

魚谷pは20000点持ちながらラス。-40ptを減算しレギュラー通算-80ptを下回り、チーム内唯一のマイナスはほぼ確定。チームも4位には落ちた。

しかし、素点は確保していたので悲観する状態ではなかった。


まさかの連投


私はABEMAを見ながら「2試合目は誰が出てくるんだろう」とそれとなく考えた。3月8日に茅森p-魚谷pと登板していることもあり、そろそろ近藤pか東城pかなと考えていた。

CMを終えて選手入場となり、登場したのは連投となる魚谷pであった。前節から数えると3連投であった。

この当番が本人希望の連投か、チームの指示かはわからない。でも、チームリーダーの責任、そして自負として志願したように感じた。

麻雀に対しては一生懸命な人というのは分かっている。2年目MVP、そしてドラ1としての責任感もわかる。ここまでのレギュラーシーズンで1戦目3着以下から2戦目でトップを取ったこともあった。(12/6ビスコ保護後の当番で連投して2戦目トップ・2月1日「これがだめならこの先当番がなくてもいい」と志願して2戦目トップ)

それは分かる。でも、チームメンバーの当番をまんべんなく見たいという自分もいた。

・・・

自分を追い込んでの当番で勝つというのは難しい。

試合は勝又pの劇的な山越からの園田pへの直撃というドラマがあったが、魚谷pは点数を削られ、園田pへの放銃かつ裏ドラがもろのりしてしまい4位に沈んだ。個人ポイントは-46.1ptをさらに減り、チームも6位に転落してレギュラーシーズン90試合が終了することとなった。


勝ち進むフェニックス


セミファイナルでは魚谷・近藤・茅森・東城の4人が着実にスコアを稼ぎファイナルに進出。

続くファイナルシリーズでフェニックスはそのチーム力を爆発させた。全12試合で行われる戦いを以下の着順で着実にポイントを積み上げていった。

1試合目 近藤 トップ
2試合目 近藤 2
3試合目 茅森 2
4試合目 東城 トップ
5試合目 魚谷 3
6試合目 東城 4
7試合目 近藤 2
8試合目 魚谷 トップ
9試合目 魚谷 2
10試合目 茅森 2.5

まさに全員麻雀とでもいう内容で首位サクラナイツに2.6pt差の2位につけて2021年4月26日、運命の最終日を迎える。


可能性を残した近藤誠一


ファイナルシリーズ11戦目。サクラナイツは内川幸太郎、セガサミーは近藤誠一が出場した。

試合は伊達pが爆発してトップを取るが、微かに優勝の可能性が残るABEMAS白鳥pがぎりぎりで2着を確保して可能性を残して最終戦につなぐ。

近藤pが大きく4着に沈んでいたが、オーラスで差を縮め、トップなら文句なく、2着か3着でも7500点以上の差をつけてサクラナイツの上に行けば優勝という条件を残した。


湧き上がる思い


いよいよファイナルシリーズ最終戦。

CMが終わり、第2試合の選手入場を迎えた。

私の心にはマグマのように湧き上がる思いがあった。


「絶対に最終戦に出場してくれ!」

「魚谷侑未!」


「魚谷しかいない!!」


理由は分からない

でも、この最後の一戦を託せるのは魚谷侑未しかいないと思った。

かなり強く

仮にここまでの成績がどれだけ負けていたとしても、セガサミーを託せるのは魚谷しかいないと思った。(実際ファイナルは負けてもいなかった)

これまで見せてきた登板への執念をこの最終戦でこそ見せてくれ!

それでなければ納得できない

たとえ負けたっていい

魚谷が戦った結果ならオレは納得する

そうでなければ納得できない

願った

切に願った

魚谷 最終戦に出てくれ

頼む

近藤pが1戦目に何とか残した可能性

結実できるのは魚谷侑未しかいない!

心の底からそう思った

・・・



しかし

世の中は自分の思う通りにはいかないようにできている

「最後は誠一さんに託すしかない」

スカルプDでお馴染みの吉野監督は誠一さんを最終戦に送り出した。

そしてサクラナイツは内川pから受け取ったバトンを堀pが優勝に結び付けた。

セガサミーは念願の優勝を目前にしながら、その願いは叶わなかった。

思えば、試合後の控室が中継されたとき、魚谷pの姿が映った。そこに落胆した魚谷pが居なかったことが私にとっての救いだった。



そしておき去りに


あれから2年。

魚谷pはMリーグを去る。

3月10日の連投で私を(若干)イラっとさせ、4月26日の登板なしで私を(大いに)がっかりさせ、2022年2月には九蓮宝燈を狙うというチャレンジでワクワクさせた。

そうなのだ、私の心を揺さぶるだけ揺さぶっておいてMリーグを去っていくのだ。

私の気持ちをどうしてくれる?  (←知らねぇって!)

・・・

まぁいいか

またいつか戻ってきて、思う存分私の感情を揺さぶってほしいのだ。



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