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ハムスター 大舞台に立つ
クラスにいるひかえめな女子。最初に長谷川栞プロを見たときにそんな印象を受けた。
グループCday6#2にナース姿の松島桃花プロ、浴衣姿の木下遥プロ、髪をアップにしてかわいくまとめた杉浦まゆプロが登場した。それに比べたら長谷川さんは少しお堅いいでたちだった。
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私は長谷川さんのスクショを撮ってSNSに上げたいと思ったが、納得のいくスクショも撮れず、結局やめた。
私がやっと長谷川選手のSNSに載せたくなるほどの良さに気づいたのはセミファイナルになってからだった。
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テンパイの長谷川選手の手が止まる。ぽつんと残っている萬子の4。
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長谷川選手はこの4mを残してテンパイを取らなかった。そしてこの4mは大活躍。リャンメンにくっついてリーチ・一発・ツモ・裏裏で勝負を決める重要な牌になる。
ラス回避が何より重要なシンデレラファイトではリーチの効果はけん制の意味でも大きい。でもそこでいったんそこで手を崩した長谷川選手に強さを感じた。
彼女はトップを取り続けて決勝に進んだ。
私はnoteで優勝予想の記事を作り、優勝予想の本命に長谷川選手に挙げた。
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長谷川選手の麻雀には魅力があった。緊迫する場面でも柔らかい打ち筋を見せてくれるし、R16を勝ち上がった時のように、つかない中で当たり牌をことごとく止めるプレーにも好感を持った。
この記事を出した翌日に私はXで優勝予想投票を募った。しかし、これを開催するかどうかは正直迷った。4位になった選手がそれを目にしたらどう思うだろうか。しかし、おそらく木下さんが抜けて、他3者はある程度並ぶだろうと踏んで投票を行った。しかし結果は違ったものとなる。
#シンデレラファイトシーズン2
— のりべん⚡雷電🐦🔥フェ二応援⭐🐹 (@dTV2174SfsVRpbG) August 25, 2023
明日決まるシンデレラが誰なのか投票をお願いします
「甲乙つけられないから全員」という方は最推しの選手を
「今まで見てない」という方はこちらを参照くださいhttps://t.co/m8X6lCo8YNhttps://t.co/vtbACeEKMH
長谷川選手の投票率は落ちに落ちて6%台の4位となり、木下選手と松田選手の人気が他を圧倒。長谷川選手を推す一部のファンからは悲嘆の声が上がった。
決勝の当日となり長谷川選手のXが更新され、私がちょっと気になっていた髪型のことが書かれていた。なんとアップにして出場するという。
今日はアップにしていただきました🧡
— 長谷川栞/ごるはむ (@goruhamu30) August 26, 2023
littleさんありがとうございます!!#little(@anemone_salon)#シンデレラファイトシーズン2#シンデレラファイト控室 pic.twitter.com/0g7ZEPYj6U
長谷川選手=おとなしめ という方程式を描いていた私のイメージは打ち砕かれる
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まさにシンデレラに魔法がかかったような変貌を遂げていた。
しかし、手牌と自摸にまで魔法はかからなかった。神さまは長谷川選手に七対子の手しか与えなかった。どうしても、牌が縦に重なってしまう流れでは、いくら長谷川選手の引き出しが多くても、七対子しか狙いようがなかった。手も遅くなり、気がつけば放銃回避の展開になっていた。
そんな展開でも長谷川選手が強いと思ったのは2試合目の東3局。手役はここでも七対子。しかしドラドラの手を張る。テンパイに結びつけたが手配から打ち出される9sは当たり牌。そこで長谷川選手は降りを選択した。
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1戦目に3着だった長谷川選手は大きめのトップかつ並びも考えなくてはいけなかった。9sがドラとはいえ、ここで勝負に出る選択は十分考えられたが、素早い損得勘定の見極めは流石だった。とはいえ親番はあと1回。そこに期待するしかなかった。
その南2局の親番に長谷川選手はついに赤3の大物手をテンパイした。それをツモりさえすれば再び優勝も見えてくる千載一遇のチャンス。
頼む!これはだけはツモらせてくれ! そう願った
しかし、この日神さまは長谷川選手に微笑まなかった。
プロフィール等で確認できる長谷川選手の夢はMリーガーとは書かれていない。天鳳9段復帰やA1リーガーと書かれている。
大学時代にはじめた天鳳を社会人になってからも続け、プロになってからも天鳳を打ち続けている。天鳳ではゴールデンハムスターに由来する"ごるはむ30"の名前を持つ。
ゴールデンハムスター
アメリカンショートヘアや柴犬などに比べたらハムスターの人気は6%ぐらいなのかもなぁ と思う。でも私はそんなハムスターが大好きだ。
長谷川さんがインタビューで、たどたどしくも笑顔で話すその姿。本当に麻雀が好きなんだなぁ、と思う。天鳳を3000試合打った経験を持つ長谷川プロ。その懸命な姿はハムスターにも重なって見える。
彼女は今、雀王戦C2リーグを戦っている。昇級できるよう、その姿を見守りたい。
完
文 のりべん
編集協力 さぬきち
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