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ランウェイをゆけ


実は私は以前ラジコンにはまっていた時期がある。(今もやりたいと思っているので、過去のことにしたくはないが)

エンジンが搭載されたラジコンで、基本自分で組み立てて、エンジンを調整して東京近郊で開催されていた草レースに毎月参加していた。

そのエンジンのラジコン(エンジンカー)の全国大会として最も大きな大会が模型メーカー京商が開催する「京商カップ」という大会。(電動カーだとタミヤグランプリというめちゃくちゃでかい大会がある)

大会はCメイン→Bメインと勝ち上がった者だけが決勝Aメインを走ることができる。

いわゆる模型オタクの集いではあるものの、Aメインを走れるのは僅か10名ということもあり、皆の注目を浴びることになる。

ラジコンは基本的にコントロールタワーから操縦するのだが、Aメインは一人一人名前を呼ばれ拍手の中階段を上っていく。

私も何回かAメインに勝ち進んだことがあったが、高揚感はハンパなかった。

これから始まる30分程度の戦い。それに向けて研ぎ澄まされる気がするのだ。

・・・

その後、ラジコン自体は東日本大震災でそれどころではなくなってしまい、ほぼ止めてしまい、今に至る。

何かと忙しく麻雀を見る機会も減ったが、シンデレラファイトだけは見ようと心に決め、数ヶ月前から日程を調整し、6月28日を迎えた。

#1の戦いが終わり、#2の選手入場となった。そこで一人の選手に注目せざるを得なかった。

日本プロ麻雀協会3年目の高橋あかねpである。

シンデレラファイト固有となるランウェイの登場シーンだが、高橋pの歩き方が明らかにおかしい。歩くこと自体がちょっと難しそうだ。

緊張のしすぎか?

と思った。だが、試合が終わってみて反省会での話を聞いてみると数日前に足を激しく挫いたとのことであった。

これは非常に可愛そうではあるが、ある意味シンデレラファイトで最も大事とも言える、ランウェイでのパフォーマンスには影響が出てしまった。

オタクのラジコン大会と、シンデレラファイトを一緒にするな、という声が聞こえてきそうだが、あのランウェイでかかる音楽に、スポットライト。それは視聴者のためでもあるが、おそらく選手が選手自身を鼓舞できる貴重な数秒ではないだろうか。

そして高橋pは東1・東2としっかり手を作ってリーチまで行きながら交わされ、その後手に恵まれないまま敗退となってしまう。

私は試合中、その画面を見守りながら思った。

高橋pに元気がない

あのXで見せてくれた麻雀への愛、その情熱 その麻雀をここで見せなければどこで見せるというのだ

川上pのリーチにポンカスを見逃すというハプニングもあった。

しかし

それはそれでいいじゃないか

Xでもそのうっかりさんなところは高橋pビギナーの私でも何となく知ってるぞ。

細川pの言葉を借りれば

やったるで!!

という振り切ったところを見たかった。

・・

が、仕方がない。

シンデレラファイトではランウェイが重要なのだ。(個人的見解です)そのランウェイを十分に活かせなかったこの日の高橋pには誰にも分からないビハインドがあったのだ。

まだ3年目。

まだチャンスはあると自分でも言っていたので大丈夫だろう。

また来年予選でも四暗刻ツモレベルの快挙を成し遂げて参戦し、なにより、ケガだけは避けて当日を迎えてほしい。


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