初診日について 

今回は、「初診日」についてお話します。障害年金の請求に当たっては、「初診日」をまず確定する必要があります。初診日を確定して、保険料の納付要件を満たしているか確認します。また、初診日に国民年金か厚生年金、どちらの年金に加入しているかによって、障害基礎年金か障害厚生年金どちらで請求するか決まります。初診日の最終的な判断は審査で決まります。必ずしも、申し出た初診日が認定されるは限りません。
 
「初診日」の具体的取り扱いは、以下のようになっています。
 
(1) 初めて診療を受けた日(治療行為または療養に関する指示があった日) 
 初診日は、医師又は歯科医師の診察を受けた日です。健康診断を受けた日(健診日)は、原則として初診日として取り扱わないことなっています。ただし、初めて医療機関を受診した日の医証(受診状況等証明書)が得られない場合であって、ただちに治療が必要と認められる健診結果である場合については、請求者からの申立てがあれば、健診日を証明する資料(人間ドックの結果など)で、健診日が初診日と認められることがあります。例えば明らかに糖尿病の治療を必要とする検査結果であった場合のようなケースは健診日が初診日となり得ます。
(2) 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
(3)過去に傷病が治癒し、同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
 
 例えば、10年程前にうつ病で診察をうけたが、その後、症状が安定したので通院していなかったが数年前に再発し、再び治療をはじめたという場合、社会的治癒というのを請求者が主張すれば、再発時が初診日と認められることがあります。経過観察等の通院をしていた場合でも社会的治癒が認められることがあります。社会的治癒を申し立てれば有利になるという場合は検討してみましょう。
 但し、症状は続いていたが、自己判断で治療を中断していた等の場合は、認められません。
 
(4)傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
 
 中々確定診断がつかず、診断がつくまで複数の医療機関を得て、ようやく診断がつくという病気の場合は、初診日の認定は、どの時点になるのでしょうか?
 確定診断がついた日を初診日と認定する傾向がありましたが、日本年金機構の事務連絡「線維筋痛症等に係る障害年金の初診日の取扱いについて」 https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T210825T0050.pdf  
によると、一定の要件を満たせば、確定診断がつく以前の医療機関が初診日と認定される可能性もあります。通院歴を整備して初診日の申し立てを検討しましょう。
 
(5)じん肺症(じん肺結核を含む)については、じん肺と診断された日
 
(6)障害の原因となった傷病の前に相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
 
相当因果関係とは、前の疾病又は負傷がなかったならば、後の疾病が起こらなかったであろうというように、前の疾病又は負傷との間に因果関係があると認められる場合をいいます。
続きは次回お話します。
 
参照   http://gyosei-bunsyo.net/201211ukeks.pdf
国民年金障害基礎年金受付・点検事務の手引き | 日本年金機構
 

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