田中社会保険労務士事務所

障害年金をメインに社会保険労務士をしています。 講演等も致します。 遡及請求成功時の上…

田中社会保険労務士事務所

障害年金をメインに社会保険労務士をしています。 講演等も致します。 遡及請求成功時の上乗せ料金は頂きません。 初回相談は無料ですので、まずはお気楽にお問い合わせください https://www.roumu-tanaka.jp/ #障害年金 #社労士

最近の記事

Ⅷ 年金加入記録を探す 

金崎の叔父の山本から、自分の年金加入記録を調べてくれという依頼が金崎にあった。叔父は、昭和55年から平成3年頃まで、あるコメ問屋で働いていて、当時、厚生年金に加入していたはずであるが、送られてきた年金定期便には、当時の厚生年金の加入記録が未加入となっており、調査してほしいという依頼であった。叔父によると、偶然、TVで年金記録に関する特集を見て、当時の職場の写真を探したら、職場の集合写真がでてきて、会社名も、写真に写っていたとの事であった。会社名もはっきりしたし、これで、自分

    •  老齢基礎年金を繰り上げ受給したら、障害年金は請求できる?

      今回は、60歳を過ぎて老齢基礎年金を繰り上げ受給した場合、その後、障害年金の請求は可能かという点について記載します。 そもそも、「老齢年金を繰り上げ請求する」とは、「65歳に達している者と同様の扱いを受ける。」ということになります。よって、事後重症請求や基準障害(初めて2級)の請求はできません。つまり、以前から病気があり、症状が悪化したから請求したいという事はできません。  初診日が被保険者中(厚生年金加入中、又は国民年金の任意加入中)であれば、障害認定日請求は可能です。

      • Ⅶ 従業員を辞めさせたい

         先代から付き合いのある和菓子店の3代目跡取り息子の今村が、中山の事務所にやってきた。数カ月前に突然、父親である先代社長が亡くなり、急に和菓子店を継ぐ事になったのである。  「この度は急な事で驚きました。本当にご愁傷様です。」と中山は挨拶した。「本当に急な事でどうしたらいいか。まだ、混乱しています。今日は、今後の社員の体制についてご相談に伺いました。」と今村は話をはじめた。 「僕は、お店の今後をどうするかいろいろ考えました。それで、今まで勤めてくれた和菓子職人さんの4人のうち

        • 医師に診断書の作成を拒まれたら

          今回は、医師から障害年金の請求に必要な診断書等の作成を拒まれた場合の対応について記載します。以下は、個人的な意見です。  医師が診断書の作成を拒む理由は、主に以下の点にあると思います。 1 障害年金を受給することで、患者の病気を治す意欲がなくなると考えている。 2 請求しても通らないと考えている。 3 障害年金の診断書の記載の仕方がよくわからない。 4 カルテがない、必要な検査ができない等の事情がある。 5 通院期間が短いので、現状では病状の適切な把握ができない。 どうし

        Ⅷ 年金加入記録を探す 

          20歳前障害の初診日の証明

           今回は、前回の続きで、20歳前障害の初診日の証明について記載します。  まず、知的障害の場合は、原則、初診日は出生日とみなされ、診断がついた時期に関係なく、初診日の証明は不要です。一方、診断名が発達障害の場合は、病院を受診した日が初診日となります。但し、知的障害と発達障害が併発している場合は、原則、知的障害との併発とみなされ、初診の証明は不要です。但し、3級にも該当しない、程度のきわめて軽度の知的障害の方で、後から発達障害が顕著になった場合は、別傷病とみなされ、発達障害の症

          20歳前障害の初診日の証明

          20歳前の障害年金について

          今回は20歳前の障害年金について記載します。20歳前障害として、障害基礎年金を請求できる方は、以下のような場合です。 1 知的障害・先天性失明・難聴・脳性まひなど生まれつきの障害の場合 2 20歳前に初診日がある方(事故や、20歳前に後天性の病気になった場合)  20歳前の障害年金で請求する場合、年金の納付要件は問われません。ですから、給与など一定額以上所得があると、障害基礎年金が支給停止になるという制度になっています。前年の所得が3,604,000円(金額は変動します)

          20歳前の障害年金について

          Ⅵ 障害年金(知的障害)

           障害年金の代理申請をしている社労士の北川に、70代の女性から、50歳になった娘の件でと依頼があった。話を聞いてみると、学校の成績は下の方であったが、何とか高校までは卒業した。その後、学校の先生の紹介で、ある会社に就職が決まったが、不器用なのか、怒られてばかりで1年程で退職した。その後もアルバイト等を転々としていたが長続きしなかった。どこにいっても仕事が覚えられない、人間関係が上手くいかないなどで、長続きできず、ここ、4、5年は殆ど家に引きこもっている状態であるとの話であった

          Ⅵ 障害年金(知的障害)

          指定難病について

           今回は、指定難病について記載します。  医療費助成の対象となる疾患は指定難病と呼ばれています。まず、難病の定義は 1)発病の機構が明らかでなく、2)治療方法が確立していない、 3)希少な疾患であって、 4)長期の療養を必要とするもの、という4つの条件を必要としていますが、 指定難病にはさらに、5)患者数が本邦において一定の人数(人口の約0.1%程度)に達しないこと、6)客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が成立していること、という2つの条件が必要とされています。 すな

          Ⅴ 退職金がほしい

          中山の事務所のスタッフ金崎が、中山に相談をしてきた。「先生、今お時間よろしいでしょうか?私が相談に乗っている友人の話ですけど。」 金崎が受けた相談の内容は、友人の勤めている事業所が経営不振で閉鎖される事になった。退職するのは現在の状況では仕方のない事だと友人は納得している。しかし、20年以上働いてきたのに、全く退職金もでないのは納得いかない。今後の生活もある。なんとか退職金を得られる方法はないのかという事であった。 「それで、まず、会社の就業規則を探してみるように友人に言

          精神疾患・心臓疾患・脳血管障害での労災に該当するケース 

          労災についての続きです。事故等の場合は労災の判断は難しくありませんね。今回は精神疾患や心臓疾患・脳血管障害のケースについてお話します。これらの疾患の場合、労災だとご自身が感じても必ずしも労災と認定されるわけではありません。  精神疾患で労災と認定されるには、業務に起因して精神疾患を発症したと認められる事が必要です。以下の3つの要件を満たす必要があります。 要件1:発症前おおむね6か月以内に業務による強いストレスを受けたこと ストレスの評価が「強」と判断される例として、事故や

          精神疾患・心臓疾患・脳血管障害での労災に該当するケース 

          Ⅳ パワハラ問題

          ある日、中山の顧問先の飲食店のオーナー川上から緊急の連絡があった。「べテラン社員であるAさんのパワハラに耐えられない。Aさんを辞めさせないと、皆、退職する。」とスタッフから告げられたとの事であった。  「とにかく、まず、スタッフ全員に詳しい聞き取りをしましょう。状況によっては、Aさんには、事情を話し、納得する形で退職してもらう事を目指しましょう。」と中山は川上を落ち着かせた。  とりあえず、匿名で、Aさんの、どういう行為が問題かスタッフ全員に意見を書面で求めた。数日後、集めら

          事実婚の配偶者が遺族年金を受給するには

          今回は、事実婚の配偶者でも、遺族年金を請求できるかという点について記載します。 「事実婚関係にある者+生計維持関係にあった者」とみなされれば、入籍していない者でも遺族年金を受給できる配偶者に該当します。 ① 事実上婚関係にある者とは 当事者間に、社会通念上、夫婦の共同生活と認められる事実関係を成立させようとする合意があること。また、当事者間に、社会通念上、夫婦の共同生活と認められる事実関係が存在すること。が客観的に認められる必要があります。 ②生計維持関係にある者 生計

          事実婚の配偶者が遺族年金を受給するには

          Ⅲ 残業時間を減らす必要に迫られる

          新たなメンバーを迎えて、数カ月たったある日、社長の佐々木は、1月あたりの残業時間が80時間もあったという事実を知って、頭を抱えていた。実際には、タイムカードを先に押して残業するのが常習化しており、さらに、それを指示していたのは、役員の大木であった。その事実を知った時、社長の佐々木は憤然とした。「時間だからといって仕事を終わる事はできない。また、どう計算しても、きっかり残業代を払えるような状況でもないから。」と大木は開き直るようにあっさりと事実を認めた。「そもそも法的に問題の

          Ⅲ 残業時間を減らす必要に迫られる

          労災保険について

          今回は労災保険について記載します。労災保険とは、労働者災害補償保険法に基づいて、労働災害に遭った労働者を救済するための保険制度です。事業主以外の、ほぼ全ての労働者が適用の対象となります。労災保険給付の対象となる労働災害には、「業務災害」と「通勤災害」の2種類があります。業務上の事由を原因として発生した負傷・疾病を、業務災害といいます。一方、通勤中に事故にあった場合は、通勤災害といいます。労災保険が適用されると、健康保険から支給される金額より多くなります。また、障害年金と労災保

          初診日 2

          前回の続きです。 相当因果関係ありと扱われることが多いものは 1. 糖尿病と糖尿病性網膜症または糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病     性動脈閉塞症等 2. 糸球体腎炎(ネフローゼ含む)、多発性のう胞腎、腎盂腎炎に罹患し、その後に生じた慢性腎不全 3. 肝炎と肝硬変  4. 結核の化学療法による副作用として生じた聴力障害 5. 手術等による輸血により併発した肝炎 6. ステロイドの投薬による副作用で生じた大腿骨頭壊死 7. 事故または脳血管疾患による精神障害 8.

           Ⅱ 採用 面接

          ある日の午後、採用の面接をする事にした。履歴書での審査が終わり、5人を面接する事になっている。社長の佐々木と、役員の大木、それに社労士の中山も立ち会う事にした。  「5人の中から3人を採用します。いい人が来てくれるといいですね。ところで、先生、面接で聞いていけない事はあるのですか。」と佐々木が中山に尋ねる。 「そうですね。まあ、家族の事や思想・信条に関する質問はやめましょう。後は結婚や妊娠の予定について聞くのもNGですね。」と中山は答える。  「分かりました。では始めましょう