脳内バカンス帰宅中のアタシと救世主
朝九時、カップルの待ち合わせという最高の瞬間に遭遇する
自分の身体が飼い慣らされてない猫
コーラを飲んだ後にチョコレートを食べちゃう
そんな勿体無いことだらけの日常に飽きて
アタシの脳は暫し長すぎる旅をしていたようです
この頃は脳内バカンスからは戻ったものの
どこか現実を生きるには
確実に手放さなければならない
生ぬるい風に住み着いてしまう
やっぱりこの病から回復するには
救世主ではなく暖かい季節が必要みたい
今日もアタシは貴方を春では無くて
救世主だと思い込みたくて
深夜12時のホームレスを憐れむ猫が同じ目線で
アタシに〝もういいよ〟と言ってくる
アタシが聞こえないフリで歩いていると
どうしても小麦肌の少年が手を引いて
アタシを救世主の元へ返そうとしている気がして
殺してしまうしか無かったのです
どうか許して下さい
水曜日に擦過してゆく救世主は何時も下手くそ
それなら一層なんの躊躇いも無く
刺し傷を抉ってくれないか
海底に沈んでいった「400ヘルツ」
〝……………なんで、
なんで私を神様にしてくれないの……〟
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