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腹膜透析とウォーキング・・デッド

人工透析を始めるに当たって最初、自分は腹膜透析からはじめました。自営業を続けて行こうと思っていたので、週3回病院に通って、4時間治療するのは、難しいと考えたからです。
腹膜透析は手術でお腹の中に管(カテーテル)を入れるところから始まります。その管から透析液2リットルをお腹の中に注ぎこんで、3時間後に出し、その際、腹膜を通して、血液から余分な水分や老廃物が透析液に混ざって、液を排出する時に一緒に排出され、血液が綺麗になるのです。説明されても自分のお腹の中でどんなことが起こっているのかよくわからなかったのですが。

 腹膜透析を始めるにあたり、まず液とカテーテルを繋ぐ機械の使い方を覚えます。機会の名前はツナグです。それと同時に徹底的に教え込まれるのが、手洗いです。汚れた手で繋ぐ作業をすると、お腹の中にバイ菌が入って腹膜炎をおこすことがあると言われ、周りの環境も徹底的に清潔な状態でなければならないのです。それで、その腹膜透析の3年間、いつも手を丁寧に洗い、衛生的に心がけるような生活が身に染みついていました。
 そして、その頃から、映画やテレビで、汚いシーンや、気持ち悪いシーンが出てくると、目を背けてしまうようにり、見るのが苦痛になりました。

その後、 エクストラニールという別の液、これは10時間くらいお腹に入れることが出来、日中仕事中はそれを入れ、量も1500ccで少し少なく、体も動き安くなり、排出する水も増えたのですが、結局、腹膜透析では水分が十分には抜けなくなり血液透析に移行しました。腹膜透析は塩分を摂りすぎると、水分が抜けなくなるし、風呂もほとんどシャワーだけになるし、旅行に行くにも、透析液と機械を持って行かなければならないので、かなり不便に感じました。夜寝る時も、自動的に透析液を出し入れしてくれる機械に繋いだまま寝るのですが、寝相が悪いと、アラームがしょっちゅうなり、起こされて寝不足になりました。

血液透析に変わると、週3日、1回4時間をどう過ごすかが問題になります。見たくもないテレビ番組で時間を潰すためだけに見るのも嫌なので、タブレットにダウンロードした、Netflixやアマプラの映画やドラマを見るようになりました。話の長いドラマだと
透析日に1話ずつ見るようにすると、透析日の楽しみになるかもしれないと、シーズン11まである。ウォーキング・デッドを見始めました。


 1話から蝿の飛ぶ羽の音が聞こえてきて、腐乱死体がごろごろ転がっている荒廃した町から始まり嫌な感じです。それでも、1話ずつ、見て行こうと決めていたので、毎回見続けました。そして、主人公達が、襲ってくるゾンビ(ウォーカー)と戦って行くうちあまりに多くのウォーカーに囲まれ逃げ場が無くなった時、脱出する手段として ウォーカーのびちょびちょの腹わたを体に塗りたくって、目は見えないが音と匂いに反応するウォーカーの嗅覚を欺き、群れの中から脱出する方法を考え出します。
 脱出するのも無理矢理で、噛まれたら感染するウォーカーのはらわたを身体中に塗りたくっても大丈夫なのかと考えてしまいますがおかまいなしです。空き家になっていた刑務所に逃げ込んだ話の時は噛まれなくても感染しゾンビ化して大騒ぎになった話もあったのに…いつの間にかなかったことになっています。とにかく、行き当たりばったりで話が進められていきます。以前は気持ち悪い、汚いシーンもそれほど抵抗なく見れていたのですが、腹膜透析で清潔さを気にするようになっていたので、耐えられず目を背けるか飛ばしてしまいます。
 話の内容も、物語を進めるため都合よく作っているので途中からは辻褄が合わなくなるわ、人気のある俳優は、他で仕事が増えたのか、どんどんいなくなってしまい、もう見るの止めようかと、何度も思いました。それでも、ここまで来たからには最後まで見届けようと耐え続けました。途中よくわからない敵、ウォーカーの顔の皮を剥ぎそれを被りウォーカーになりすまし群れの中に紛れ襲って来る集団が出てきた時は、ゴールを目の前に断念しかけましたが結局最後まで見届けることが出来ました。

 腹膜透析時は、塩分を摂りすぎると、全然水分が抜けなくなり、体が浮腫んで体調も悪くなりました。
 血液透析にすると、たまに、塩分の多いラーメンを食べ、水分を摂りすぎても、透析で抜けばチャラになります。頻繁にすると身体に悪いと思いますが、、、、
 腹膜透析の時は 塩分を摂らないように、いつも気を使っていました。味噌汁やうどんやラーメンなどの汁物は一切食べませんでした。それでも、水分を抜くのには苦労しました。自分にとってはクリニックも自宅近くにあり、血液透析の方がだいぶ生活するには楽に思えます。


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