見出し画像

Ragura Floating World50


全く人気の無い
校舎の裏側
真後ろに
位置する
この場所で迎え撃つ



エノク
「スク、悪寒は感じる?」
スク
「ゾクッとする感じ?」

なんて鋭い‥
上等だ

エノク
「固まってたら
巻き込まれるかも」
スク
「良し、距離を取る」

フッと笑う
息が合った

私の
お節介が
始まる

スクの足元に
式を展開させた

真下で刺さる音
ベクトルは下か
うでを振り下ろし

真下の侵食者を
囲み消した
端末が鳴る

エノク
「デリート」
スク
「なるほど、
そうやるんだね」


小型の侵食者が
複数散開して来る


スク
「第三形態」
「僕はこう闘う」

俊敏な神経が
身体から
一瞬にして
飛び出し
先端から
可視化された
オーラを放つ

触れただけで
次々と
侵食者を
仕留めて行く

凄い
こんな使い方を
彼は知ってる


エノク
「真下の
ベクトルは
任せて」
スク
「ありがとう
気になってた」
エノク
「けど効率悪いし
範囲広げるわ」

解除して
自分の指定範囲を
一気に広げる

スク
「これだと僕
攻撃出来ないんじゃ」
エノク
「式は半霊」
「奴も半霊よ」
スク
「あ、なるほど」
エノク
「でも殺生は此処まで」

フッと笑うと
目を閉じ
集中する

逃がさない

両手を大きく上げ
地面に振り下ろす

スク
「襲って来ない?」
エノク
「 」
「何処‥」
スク
「?」
エノク
「蒼穹(そら)、
母体は何処?」

蒼穹
「おかしい‥
こちらでは
確認出来ない」

戦闘は
伏せられたままだ

その間
蒼穹が
以前の解析を
一旦調べ直すと
言い残し
しばらく
沈黙する

私は
式をそのままに
して立ち上がった

スク
「‥蒼穹と話が
出来るのか」
エノク
「一人では戦えないわ」
スク
「良かった」
「僕も力になるよ」

二人で笑う

蒼穹が沈黙を破る

蒼穹
「ラグラに
取り憑いている」

ドクン‥

エノク
「 」
スク
「取り憑いている?」


そんな‥
母体自ら

蒼穹はまだ
説明を止めない

蒼穹
「魔神具」
エノク
「えっ」
蒼穹
「解体データを
解析したら
質量は‥
母体そのものと
一致した」

全長19kmの質量を
解体する為の
途方も無い工程‥

それも母体自らが
魔神具となっていた

愕然とした

空は白く
嫌な風が迫る

嵐が来る‥

悔しくて
涙目になる

そ‥
それでも

エノク
「土足で踏み込んで」
スク
「エノク‥」
エノク
「好き勝手蹂躙して」
「出て行って‼︎」

両手を大きく上げ
地面に振り下ろし
叩きつける

全ての侵食者と

全ての攻防神と

絶海の中の
第二形態に向けて
式を展開させた

蒼穹
「どうするつもり」
エノク
「解体は間に合わない」
「ラグラから引き離す!」

強制転移
即席の
転移ポータルを
発生させる

みんなの
力を使って

捕まえた
絶対
逃がさない

集中する
たとえ無防備でも

全長19kmの
質量を
転移し始めた
頃だった

スク
「ぐっ‥!」
「 」

エノク
「 」
「スク‥?」



ドクン‥

殺意のベクトルに
気付いた時には
スクの身体を
群青色の触手が
無数に
貫いていた

‥⁈

スク
「集中して‥」
「僕は死なない」

痛みと苦しみに
表情を歪め
スクは耐えていた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?