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Ragura Floating World51

僕はスクエア
通称スクと
エノクが言っている

悪くない

いや
最悪の状況



コレが侵食者か

奴の思惑が
入ってくる
僕に取り憑こうと
している



母体はラグラに
取り憑き
嵐を発生させた

エノクは
発生した嵐に対し
母体をラグラから
引き離す為
全ての侵食者と
攻防神の力を借り
ポータルを発生させ、
転移し始めた

つまり強制転移‥

ポータルを
長時間
発生させた
事例は無い

それでも
エノクは
諦めなかった

身体にかかる
負担からか
必死に歯を食い縛る

両手を地面に
付けたまま
身動きが
取れないでいる

彼女は
全身全霊を掛け
ラグラから母体を
引き離していた

そして僕は
全ての侵食者が
彼女の指揮権に
渡った以上
考えられる事実

母体の抗いが
僕にのしかかって
いるんだと
悟った

奴が僕の形態に
手を出そうと
内部から
変異させようと
して来る

エノクは
苦し紛れに
僕を見つめる

その時
僕の右腕が
勝手にベクトルを
エノクに向けた

抗う
黄金の霊波動が
花壇の通路に
向かい
放つ

まだ終わらない
身体の神経
血管などの繊維が
エノクに向かい
飛び出す

危なかった

ギリギリの
距離で
抗い
止めた

足取りが
重い

奈落に向かい
歩く
僕の足元から
身体の繊維が
地面に突き刺さって
行動を
制限して来る

こんな奴
興味無い

攻防神は
絶海から
浮上する為
禊の
終わった者から
浮上すると聞いた

はは‥

禊の時間だ

腕がビクンと
跳ね上がる
裂開した
切れ目から
筋肉が勢いよく
飛び出した

エノクの
方には
振り向かない

僕の頬が
裂けてきた
原型を
留められない

だったら
一気に
デカい一歩で
飛び出してやる

飛び出した
筋肉の肉塊を
脚部へと
変異させた

金属製の露出部が
形成された
恐竜の様な
形の脚部が
姿を見せた

その時

エノクが
走り出した

駄目だ
来るな

波動を
可視化させた
衝撃で
彼女を吹き飛ばす

ごめん
エノク

吹き飛ばされた
エノクが
壁に打ち付けられ
昏倒したのを
確認して

僕は
奈落に向かい
脚部の力を
振り絞り
飛び上がる

宙を舞い
浮遊から
落下へと
変わる頃

抗いの
繊維が身体から
飛び出して行く

アンカーでも
打ち込む様に

フッと笑い
させるものかと
伸びる繊維を
引き離す

落下速度は
増して行く

エノク‥

僕と君で
このラグラを
守った

吹き飛ばされても

打ち付けられても



恨みっこ無しだ

そうだろ?



やがて絶海へと
到達した
僕は

海面に
打ち付けられた
衝撃で
昏倒したまま
沈んだ



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