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蒼穹の見聞録5

元第七遊撃部隊
ミカエル分隊長
フィー


輪廻
最上部

禊の儀を控える
一級攻防神の列

一体500mの
質量が
行水する

一帯に
レッドアラートが
鳴り響く

オペレーターが
遊撃部隊の
招集を伝達する

フィー
「レッドアラート⁈」
「強襲か?」


オペレーター
「輪廻全域に暗雲密度が上昇しています!」
フィー
「アザトース⁈」
「ぬるま湯に漬かる暇は無さそうだ」

背中の
推進ユニットを
出力全開に
上昇する

フィー
「総員出撃!禊は終わりだ!」

500m
規模の巨体が
一斉に
水しぶきを上げ
上昇する

圧巻だ

上昇しなければ
滝のように
流れる
膨大な
水量に
飲まれてしまう

格納庫に向け
完全武装する
必要がある

最上部から
花弁に向け
一気に
急降下した

エノク‥

どうか
無事で
いてくれ


輪廻中枢司令本部

大御神遥華

オペレーターの
残念な通信に
輪廻に
緊張が走る

オペレーター
「輪廻全域、完全に暗雲密度により包囲!」
リリィ
「ドブ沼の嵐だわ。姉さん」


姉さん
「主力部隊の転移が無い」
「何故⁈」
リリィ
「非公式の通信⁈」
「遥華様!」

遥華
「‥悪鬼⁈」

悪鬼
「10500年ぶりか?」
「あん時は傍観する側だったが」


遥華
「この特殊特級呪術はまさか」
悪鬼
「神殺しを使う時が来た」
「無情の精神世界に引導を渡す時だ」
遥華
「悪鬼‥させはしません」
悪鬼
「希望をいつまで唱える?救いは無いぜ女神様よ」
「開戦だ。見せてやる。神殺しを」


遥華
「悪鬼⁈」

モニターの
悪鬼が消える

そのタイミングで
ラドゥウリエル
参謀総長が
中枢司令本部に
転移した


ラドゥウリエル
「遥華様!」
「悪鬼の残留が!」


遥華
「はい、まさか通信を許すとは」
「精神世界に引導を渡す為、神殺しを使うと」
ラドゥウリエル
「エノク書の神殺し‥か」
「アザトースも書物の特殊特級呪術と言う訳ですな」

リリィ
「アザトース全域から転移反応!」
「霊波動エネルギー急上昇!」

「主力部隊のいない転移攻撃⁈」
「これでは防ぎ様が!」
遥華
「 」
「一級攻防神の防壁は⁈」
リリィ
「展開が間に合いません!」
「着弾まで20秒‼︎」


ラドゥウリエル
「いかん!」
「輪廻に向かい高圧縮霊波動が伸びている⁈」

輪廻に
伸びる
集中攻撃


摩天楼に
次々
着弾する

爆炎が
都市部に
容赦なく
上がる


エノク
「私の書物が‥使われている!」
「悪鬼が解読したんだわ!蒼穹‼︎」


蒼穹
「はい」
エノク
「書物で対抗するわ。繋ぐわよ!」
蒼穹
「書物?」

式の展開

想像から
創造にシフト

繋がれ

エノク
「1本目‥出来た!」
蒼穹
「あと何本?」
エノク
「あと31」
蒼穹
「時間かかりそう」
エノク
「永続的に最初から式を組まなきゃならないのよ!仕方ないでしょ」

なんとか
32本
創造可能にした

猛攻は
激化し
黒煙で
都市部が
蹂躙されている

右手をかざし
唱えた


頭上から
直径10mの
先端部が
物質化され
円錐三角形の
白銀の釘が
形成される

これが
私の
主力


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