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The blue sky of the outlook16 hecto

古代図書館


マナとはクラス別の為、別れ

ビオラと話しながら

ようやく教室へとたどり着く。


男子一同がやっと来たかと見る。

タケ 「どうした、女子が全員来ねえって噂してたんだぜ?」
エノク「‥ねえ?」
ビオラ「魔法合戦の果てで遅れたのさ」
タケ 「そ、そりゃ大変だったな‥」

地味にタケと視線合わせ辛い‥

タケ 「そりゃそうと‥」

タケが半魚の肩をポンッと叩く。

私の前に昨日の半魚が
話したそうにしている。

エノク「おはよう。えっと?」
半魚 「エノク‥俺、毒男ってんだ!」
エノク「ん」

笑顔で最後まで聞く。

毒男はしどろもどろだけど、
私に番号の交換を求めて来た。

私は端末を手に
「宜しく、ドク」と言って
連絡を取り合う事が
出来る様にした。

ドクは、家が漢方を扱う
専門の店を営んでいて、
男子寮の生活をしていないらしい。

理由は、ドクも緊張していたのか
話さなかった。


そんなこんなで、私はみんなと
コミュニティーを取り合って行く。

端末の連絡先は
一気に増えていく

そんな休み時間だった

タケの姿が見えない


馴れ合い関係の友達
ニル、ユノ、ミオの元に向かう。

エノク「ね、タケは?」
ニル 「そう言われてみれば」
ミオ 「居ないね」
ユノ 「この時間、いつもそうね」
エノク「いつも‥」

みんなタケの行動を
あまり把握していないようだ。

ユノ 「あまり話さないのよ自分の事」
エノク「あ‥」

確かに。

タケはあまり自己紹介で
ダラダラ話す事がない。

気遣いはあるのに‥

たまにはプライベートな
会話をする気はないのだろうか。

適当に学校を回りながら
探そうと思った。

3人と別れ、廊下に出ると
階段をひたすら降りてみた。

どれくらい降りたかわからない程
階段を降りた

エノク「ん?」

立ち入り禁止の札が付いた
ロープが張られている

周りを確認して

誰も居ないとわかったら

行ってみたいのが常

冒険心が揺れる。

階段を降り切る

エノク「‥図書館?デカイ‥」

広大なスペースが広がる

空間に至るまで収められた書物‥

かなりの古書がぎっしりと。


古代図書館だ‥

まさか‥

ラグラの全てのルーツが

この図書館に収まっている⁈

エノク「凄いわ、ここ‥」

広めの通路を歩く

手の届かない四階程の高さまで
書物が収められいた。

適当に本を手にしようと
手を伸ばして

止めた。

読書をする為の
広めのスペースが
奥に確認できたからだ。

あっちに明かりが点いてる?

誰か居るのか‥

行ってみる


山の様に積み上がった
書物に紛れ、案の定居た。

私と同じならず者

エノク「‥ネグロ?」
ネグロ「⁈エノク、何故此処に?」

こちらのセリフです。

エノク「新しい魔法習得?」

にっこり冗談に聞く

ネグロもふっと微笑む。

ネグロ「‥凄いだろう?」
エノク「そうね。ビックリだわ」

ネグロが常習なら、
此処の事は少なからず
知っている筈だ。

エノク「古代図書館よね?」
ネグロ「ああ、貴重なルーツの宝庫だよ」
エノク「ね、例えば?」
ネグロ「驚くよ」

勿体ぶって‥

ネグロ「創造主の記録がある」
エノク「創造‥主?」
ネグロ「ラグラの創造主は、僕らと同じ16歳の子だって書いてある」


ドクン‥

そんな

創世記の記述が⁈

興味深い

エノク「他には?」
ネグロ「読めるかな‥国産み」
エノク「最初の建国ね?」
ネグロ「ああ、まだ司法が確立していない時代だし‥」
エノク「何処から来たの、人類は」
ネグロ「‥何だろう」
エノク「?」
ネグロ「とても難解だ。この文字」
エノク「見せて」


これは‥

ドクン‥

夢で見た文字

駄目‥わからない

けど、これは

ゾクリ‥

霊的な悪寒


ネグロ「え、エノク?」
エノク「 」

私が最初に手を伸ばそうとした
書物を探しに広めの廊下へと走る

ネグロ「エノク⁈」
エノク「何処⁈」

この膨大な数‥

何処だ?

この辺の筈‥

何処だろう?
確かにこの辺りの筈なのに‥

ネグロもついて来る

心配して聞いて来る。

ネグロ「どうしたんだい?」
エノク「多分、解読する方法があるわ」
ネグロ「解読?」
エノク「あの文字を解読する書物が」
ネグロ「それがこの辺りに?」
エノク「あれ?」
ネグロ「 」
エノク「私、その本に触れてないのに‥」

何故、私が手にしようとした
書物が

解読書だと思ってしまったのか‥

ネグロが静かに答える

ネグロ「エノク‥怖いなら此処には来ない方が良い」
エノク「‥‥ん」

私は震えていた。

自分のルーツを知る程

今の私は、そんな強く無い‥

ネグロと教室に戻る

当面の目的が
タケを探す事だったと
ネグロに話す

ネグロは優しく微笑むと

ネグロ「やっと素のエノクに戻ったね」
エノク「え?」
ネグロ「さっきの君は、まるで別人だった」


そうだ‥


こんなの私じゃない


ルーツの探求は

ゲシュタルト‥

自己崩壊のリスクがある。


私にはまだ早いと


そう思い知らされた‥







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