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蒼穹の見聞録20


エノクです

瓦礫の上

救助活動が
続く

親分先生

プル

おまる


共に
都市部を
歩く

攻防神の
ワイヤーが

沢山の
瓦礫を
持ち上げ

ゆっくり
移動する



瓦礫から
落ちる
破片

エノク
「 」
「義体の一部⁈」
蒼穹
「 」
親分先生
「瓦礫の撤去を優先するか」
「救助を優先するか」
エノク
「どっちもと言いたいけど」
親分先生
「限界はある」
「どれ」

親分先生が
移動しようと
している

親分先生
「‥来るか?」
エノク
「何処へ?」
親分先生
「シャンデリア」
エノク
「 」


蒼穹
「工程、見せてくれるんスか?」


親分先生
「よしみだ。ワシのモチベーションを立て直してくれた」


エノク
「いえ。親分先生が強い方だから」
親分先生
「照れる。捕まっとれ」
「飛ばすぞ」
エノク
「はい。蒼穹!交代して」

蒼穹へと
交代し
親分先生の
背中の
角に乗る

親分先生
「ワシにとって物体は、空間でしかないが、よしみの行動だ。回り込むぞ」

俊敏な
親分先生が

圧倒的な
速さで
都市部を
駆け抜ける

輪廻の
下部へと
降り立つ

エノク
「は、速い!悪鬼の様だわ‼︎」


蒼穹
「自分もこのくらい早ければ」
親分先生
「あれだ」


輪廻の
最下層

先端から
無数の
侵食者が
結合し合い

距離感を
掴めない
シャンデリアの
姿を見せている


蒼穹
「デカ!」
「結合しとるんスか?」
親分先生
「習性よな」
エノク
「何?あちこち火花が散ってるわ」
親分先生
「どうだ?」
エノク
蒼穹
「 」


火花から
白い影が
列を
作っている

何?

親分先生
「禊の前にお色直しをせんとな」
蒼穹
「‥サイボーグ化では?」
エノク
「攻防神でしょ」
「最下層で手を加えてたのね」
親分先生
「ラボの連中は、優秀だ」

次々と
攻防神の
姿へと
変化し
分離していく

エノク
「あの‥撃墜された攻防神は?やられても直せるんじゃないかしら?」


親分先生
「後にも先にも無い」
「それで終わりよ」


エノク
「そんな‥」
「この奈落を落ち続けるしか無いのね‥」

第二形態
シャンデリア

最下層の
ラボで
沈黙を
続ける

動かない
侵食者の
群れ

私達は

沈黙した
彼らを

ただ黙って
見るしか
なかった


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