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蒼穹の見聞録33

模擬戦


金閣銀閣の
瓢箪
撃破

これで

聖釘の
完全自立支援も
証明できた

輪廻の
復旧には
時間が
かかる筈

エノク
「ママ、蒼穹の事だけど」
遥華
「大丈夫です。ずっと、このままという訳ではありません」
エノク
「え?」
遥華
「フィーからの連絡を、待っていました。引き裂かれた片割れの捜索を依頼していたのです」
エノク
「 」

何の事だろう

そう思っていた

ラドゥ
「精神的安定の為、保護してある。一度ラボに来て頂こう」



ラボの
前に立つ

エノク
「先生?」
ラドゥ
「悪鬼から回収したエノクの魂。片割れの魂。神殺しの章を保護している」


エノク
「 」
遥華
「魂の引き合わせ」
「本来、分魂の術は、誰にでもできるものではありません」
エノク
「悪鬼に喰われた筈の、私の魂ですよ?」


ラドゥ
「喰われたとしても、輝きまでは、失ってはいない」
「フィーに捜索願いを出し、ようやく見つけ出したのだ」


エノク
「 」
蒼穹
「ラボに、エノクの半分が‥⁈」

私同士
引き合わせ

人として
生きる

その為に

私は
ラボで
自分と
対面する
事になる

先生が
ラボへと
進む

しばらくして
戻って来た

遥華
「引き合わせた魂程、忘れてしまえば、己を理解する事は難しいでしょう」


エノク
「蒼穹は‥どうするの?」


遥華
「大丈夫です。蒼穹は、蒼穹として生き続けるのです」

ますます
分からない

結合された
片割れとして
蒼穹は
いるのに

私は
バラバラに
されるのではと
ママに聞く

遥華
「そんな事はありません。魂は引き合い、存在しているのです」
「だから、決して一人で生きてはいないのですよ」
エノク
「一人では無い‥?まさか、二重人格‥いえ、多重存在⁈」
ラドゥ
「そうだ。理解しているな」


蒼穹
「自分は、自分として?」
ラドゥ
「ラグラ計画。世界を救う手助け、お願い出来るか?」
蒼穹
「自分に出来る事なら」



私の
旅立ちも
刻々と
近づいている

この
輪廻とも


私の
義体とも

別れの
時が
近付いていた

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