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Ragura Floating World48


時代の変化は

私達の回りにも
影響を与えていく

その変化が
私に訪れた

曽祖父(ガラキ)が




エノク
「じじ、私‥」
タケ
「お前に会い
たがっている」
エノク
「ん」


記憶が混同して
いるのだろう

私はこれまで
曽祖父と
上手く会話が
合わなかった

それでも

私は笑顔で彼の
言葉を聞いた



病院

静まり返る
曽祖父の
病室へと
向かう

エノク
「 」

ガラキ
「来たかエノク」


変わり果て
衰弱しきった
生命維持装置で
管に繋がれた

曽祖父が横たわる

見てられない
何故‥

私の涙腺は
もうもたなかった

それでも
曽祖父の手を
握ろうとした

手を先に握る
曽祖父

強く
熱い手で

ガラキ
「私は生きた
お前にも会えた‥」
「何も言う事は無い」

エノク
「やだ‥そんな事
言わないで」
ガラキ
「チョウワソウ」
エノク
「え」
ガラキ
「見せてやりたかった」

思わず
最後の一言で
私が放ってしまう

エノク
「また見せてね」


その言葉に
フッと笑う曽祖父は


現時刻をもって

私の手を握ったまま

エノク
「曾祖父‥?」



終始悟った

私は泣き崩れた




曽祖ハハが
廊下で
私の隣りに座る

でっかい穴が
空いた
私の隣で
支えてくれた

何て強い人
なんだろう

曾ハハ(サラ)は語る

サラ
「ちゃんと願いを
叶えてくれたのね」
エノク
「私‥あんな嘘」
サラ
「嘘では無いわ」
エノク
「え」
サラ
「分からなくても良い
あれで正解なの」

よく分からない
正解なんて無い筈
私は‥

サラ
「エノクが先立って‥
ずっとあの答えを
待っていたの」

私が生まれる
ずっと前に
先立って
しまった
私と同じ名前の人

私と重なるのか
それとも‥

曾祖ハハは
その人を
思いながらか

私の隣りで
寄り添ってくれた

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