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The blue sky of the outlook31

珍しくニュースを見ていた。
穏やかな朝の退屈しのぎで。
たまたま耳にした巷の記事。

「次のニュースです。昨夜未明、谷沢総合学生女子寮に不審な人物が三名忍び込み、逮捕されました」

エノク
「え?そんな事件あったかしら?」

逮捕された容疑者の顔が並び、
デニッシ族がクーデターを
目論む事も報道された。
私は初耳だ。

エノク
「デニッシ‥聞いた事ないわね」

妙に静かに聞いていた2人。
シャルが今までにない暗い声で
重い口を開く。

シャル
「シャルもデニッシだよ」
エノク
「え?」
シャル
「母ちゃん‥シャル悪い子?」

アリサがグッと堪える。
私の反応を待つ様に

私は慌ててシャルを宥めた。
よくわからないんだけど
報道を切る。

声を荒げ号泣するシャルを
ぎゅっと抱きしめた。
シャルは一段と大きな泣き声を上げる。
耳が痛い。

エノク
「大丈夫、シャルは良い子だから」
アリサ
「お姉ちゃん」
マーゴ
「何や騒々しいな〜」

騒ぎを聞きつけ、マーゴも
窓から覗く。
アリサも抱きついて来た。

事件の犯人は全員男。
クーデターを目論むデニッシ
族が全て男性である事。

デニッシ族とは何なのか
穏やかな朝が一変した。

嫌な予感がする。

自分の勘が外れる事を
ただ祈るだけで精一杯だった。

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