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lost kingdom25


エノクです


下界の
多脚アンドロイド



FAPUS共に
崩落に
巻き込まれる

エイド
「此処まで崩落なんて‥」
カナ
「想像にしてなかったわ」

殿下
フレディ大臣も
駆けつけた

殿下
「これは!」


フレディ
「過去最大のアビスですね」


ジャズ
「殿下、また崩落ですか?」


カナ
「FAPUSが下敷きに」


エイド
「FAPUSだけじゃない!」
「墓まで下敷きだ!」


そう

この崩落で
森ごと
崩落で
押し潰された

エノク
「お墓‥」
エイド
「‥すまない」
「一人にしてくれ」
エノク
「 」

肩を
落とし

一人
立ち去る

引き止め
ようとした
私をママが
止める

カナ
「あの人にしか
分からないものよ」
エノク
「え?」
カナ
「時間かかるの」

誰か

彼を
支えて




エイドだ

遺跡の
瓦礫が

押し潰された
下界が
此処からでも
見える

父の
言葉が
よぎる

お前は
強い

母の
言葉

一人に
ならないで

そうは
言っても

取り巻く
繋がりは
此処では
薄い

エイド
「 」

誰だ

一人に
なりたいと
言ったのに

僕の
隣りで
しゃがみ込む

エイド
「 」
「セイラ‥?」

セイラ
「落ち込んでる」
エイド
「そりゃ‥これじゃ
墓参りも出来ない」
セイラ
「どうやって?」


エイド
「 」

どうやって?

それは

セイラ
「落ち込んでたら
供養にならないわ」

エイド
「僕だって人間だ」

セイラは

私達は
落ち込んでる
暇さえ
無かったと
言う

個人的な
考えより
共同で
助け合う
関係だったと
彼女は
話す

エイド
「落ち込む暇さえ
与えられ無いのか」
セイラ
「だから隣りで待ってる」


エイド
「 」

彼女は
微笑んでいる

エイド
「何故‥此処まで」
セイラ
「言わなかった?
共同で助け合うって」


エイド
「 」
セイラ
「エノクに会った?」
エイド
「嗚呼、落ち着きの無い」
「そんな子だった」
セイラ
「父親が眠る場所があるの」
エイド
「何処?」
セイラ
「浮き上がった密林の更地よ」
「一面草原になってた」

その経緯も
セイラは
語る

異端審問
魔女狩り
赤十字軍と

エイド
「 」
「‥どんな人?」
セイラ
「異端審問の創立者
にして狂人」
エイド
「な」
「魔女狩りの元凶⁈」


セイラ
「集団アルゴリズムで
勝手に宗教にされて」
「魔女狩りの創立者と
誤解されるのは‥心外だわ」

セイラは
悲しげに
答える

セイラ
「内側を見せずに先立って」
「それでもママと生きられる
それだけで私、幸せよ」
エイド
「強いな。君は」
セイラ
「なれるわ。貴方なら」
エイド
「え」
セイラ
「強い家系だもん」
エイド
「そう‥」

嗚呼

確かに
強い家系だ

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