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The blue sky of the outlook83

「蒼穹さん、エノクに
会えたんでしょうかね」

「仕上げで接触
出来たんじゃな〜い?」

惑星ラグラを背にし、
巨大なユニット群が
隣接する様に一体となって
いる。

先端が真っ直ぐ伸びた
巨大ユニットの側で
3頭身の4枚羽が光る
妖精の姿。

宇宙でソリスとルゥが
お喋りする。

ソリス
「ラグラの姫君」
ルゥ
「創造主な」

蒼穹がゆっくりと
目覚め、推進ユニットが
光の翼を模した様に伸びる。

巨大ユニットの
元まで到達する

ソリス
「おはよう御座います」
蒼穹
「よっス」
「嗚呼、こりゃ来るね奴さん」
ルゥ
「カイ、リーネ!」
カイ
「呼んだ〜?」
リーネ
「侵食者ですか?」
蒼穹
「輪廻襲撃以来か」
「ラグラの嵐と言い」
リーネ
「結局嵐の元凶は
わかったのですか?」

蒼穹は対象の方向に
ベクトルを向け呟いた。

素顔からパネルの様に
展開されるフェイスマスク
ショルダーパーツを纏う。

蒼穹
「恐らく魔神具」
ソリス
「それを文字で
解体しちゃうなんて隊長」
蒼穹
「魔神具まではいかない
までも、パズルと同じ」
「神殺し使うよ」
ソリス
「ネーミングが
ぶっ飛んでますが
そんな名前で良いんですか?」
蒼穹
「侵食者にも有効なら」
「来るよ。配置して」
一同
「了解‼︎」

創造主‥いえ、人類
ラグラを守る。

蒼穹を含め
彼女達が意気揚々と
戦闘態勢に入った。

対象のベクトルの先に

無数のポータルが螺旋を描き
発光した。



季節は変わる

タケが初めてのバスケの
試合に出る頃には寒くなってきた。

ラグラのバスケは
壁にもバスケットコートが
配置されている。

跳躍が増強、壁さえ走れる
特殊なシューズを履いて
タケは汗まみれで対戦している。

エノク
「タケーーー‼︎」
タケ
「‥‥‼︎」

視線が合う。
ニヤッと笑うタケが
相手チームを交わし、
立ち塞がる壁の様な一人と
相対する。

「ニヤッ」

タケはブレない
嵐の時と同じ。

そして動き出した。



試合後

アリサとシャルに
出会った学校前の橋

エノク
「負けちゃったね」
タケ
「一週間まで迫ってたからな」
「次は負けねえよ」
エノク
「それでも感覚掴めてたわ」
タケ
「ああ‥なぁエノク」
エノク
「ん?」
タケ
「我慢してたろ?」
エノク
「 」
タケ
「待つのは俺だ」
エノク
「タケ‥」

俺の真似するなんて
百年早ぇとタケが笑う。

タケ
「お前らしくねぇ。
いつも通り来いよ」
エノク
「///‥良いの?」
タケ
「おう」

会話が丸聞こえで目を細めた
マナが、ダッフルコートを
来てブルブル震えていた。

マナ
「く〜‼︎私を温めて
くれる彼氏は何処?」
タケ
「俺の手で耳くらいなら
あっためてやるぜ」

両手を差し出すタケを
見るとマナの表情が青くなる。

マナ
「やめて、冷えた耳を握るなんて
想像したく無い痛さだわ!」
エノク
「どれくらい痛いの?」

マナが視線を逸らして
ぼそっと言う。

マナ
「陣痛‥」
エノク
「( ゚д゚)うわぁ‥」

エルフの耳はデリケート
だから触るな、らしい。
ビオラやネネが手を振って来た。

ビオラ
「よ、寒がり!」
マナ
「うっさい」
ネネ
「タケどうだった?」

タケが苦笑いする。

エノク
「カッコよかった♬」
「けど、確かに寒いかも‥」
タケ
「雪降るんじゃね?」

私はまだ雪を知らない

空を仰ぐ
雲がいつもより低い

空から舞い落ちる雪が
私の期待に応えて振って来る

エノク
「わあ‥‼︎」
タケ
「マジ振って来やがったな」

上空から振って来る雪が

宇宙で戦闘態勢に入った
蒼穹達の交戦を隠す様に
雪が降る。


それでも

何があっても

惑星ラグラは

知らない誰かに守られていた。

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