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半霊半物少女26

玄関を飛び出し

ビルの外から見える

変わり果てた異様な光景が

私の視界に飛び込んだ。

エノク
「侵食者‥⁈」

群青色の鋭利な先端
触手が絡み付く光景。

街に群がる無数のそれが
ビルに絡み付き
立体交差の路線、柱
至る所に木の根の様に
言葉は悪いけど
神経、血管の様に
グロテスクに
張り付いていた。

何て事‥

蒼穹を思い
心で叫ぶ

エノク
「蒼穹!」
蒼穹
「聞こえるよ」
「出来るじゃん」
エノク
「コレが侵食者ね!」
「あちこち触手塗れだわ!」
蒼穹
「奴さんは地下深くに籠城。
立て籠りで人類殲滅か。
考えたね」
エノク
「感心してないで!
本体が島に取り憑いて
いたら手出し出来ないわ!」
蒼穹
「大丈夫、侵食者に有効な
種族は沢山いるし、
主砲も撃たせないよ」
エノク
「あ、なるほど!」

そう思った瞬間

マズイ

殺意のベクトル。
フェンスの影から
外側の直前で足を止める

いる。
角から奥に
探る様に
かつて無い
殺意の視線‥

蒼穹
「霊視線。気付くとは思ってた」

息を切らし、しゃがみ込む。

エノク
「は、早く言って‥」
蒼穹
「連絡は?」
エノク
「今するわ!」


端末を操作
まずは本社を当たる。


タケ、無事でいて!




会長が着信に気付く。

会長
「タケ君!エノクからだ!」
「私だ、無事か⁈」
エノク
「カイゼル会長!ご無事ですか⁈タケは?」
カイゼル
「問題ない。しかし、コレは一体」

落ち着いた声で話す会長

しかし触手は
本社内部まで
到達していた。

エノク
「侵食者に有効な手段がある筈です!魔法とか使える方は?」
カイゼル
「私が使える。試してみよう」

会長が触手に向け詠唱する。

カイゼル
「ブリッツシュラーク」

控えめに唱える
詠唱から発する
閃光は触手に当たる。

群青色の怪物が
引っ込んだ。

カイゼル
「有効だな。タケ君、此処は一旦退避しよう」
タケ
「はい!か、会長‼︎」



壁の中に引っ込んだ
群青色の触手
怒りを買ったのか
一斉に鋭利な
先端が襲いかかる。

二人はその場から退避した。

それでも

私は会長とタケの
無事を信じ
次の連絡先に向け
発信した。


高校時代の友人達に

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