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Ragura Floating World72



初めまして!

私、アスって
言います
小学六年!

母さんが
アスカで
剣術やってるん
だけどさ

昔、道場あった訳

けど爺が亡くなって
解体しちゃった

勿体無いけど
跡取り無いし
神道は
大事だからって
神棚は
取ってある

私も真理教育
受けてるから
分かるし

私の名前
母さんと同じ様に
聞こえるけど
私はus(私達)
何か素敵じゃん

それで
母さんの影響で
剣術やってるんだけど
強いのなんの

慣れないから
片腕であしらわれる
最近は腕も上がって
母さんと良い
勝負出来るって
思ってた

それなのに小太刀の
二刀流に切り替え
これまた強いのなんの

これだから
稽古は
やめられない

そんな
ある日だった


コンビニ


自動ドアが
開いた

入ってくる
客がおかしい

平和なラグラでも
犯罪がゼロ
と言う訳じゃ無い

で、そいつが
入店して来た

口から
泡のヨダレを
垂らす

真っ黒な服装
手には拳銃

え?
何で持ってるの⁈

大声で全員
ぶっ殺とか言う
物騒な

ドラッグでも
キマってんの
かしら?

そう思ってたら
私と目が合った

ベクターBOXには
木刀も無い

あちゃ〜

これからは
護身用に
持って行こう

そう思ってたら
銃口向けられる




はい

エノクです!

コンビニにいたら
強盗が入って来た

もちろん
拳銃持ってる

リハビリの成果を
試す時

誰かに
銃口向けた

とっさに
足を上げ
ベクトルを定める

詠唱

エノク
「デュールグラス!」


足の裏から
式が展開して
発光
拳銃ごと犯人の
腕が凍る
突然変化した
腕の質量にだらんと
下がった

その隙に
一気に目の前まで
躍り出ると
ジャンプして
かかと落とし

脳天から
決まった衝撃は
私の威力でも
昏倒させるのには
充分だった

発砲音はしたけど
ベクトルは
明後日の方向

のけぞる様に
仰向けに
倒れる犯人
大の字に
沈黙する

エノク
「店員さん、警察」
店員
「は、はい!」

銃口が向けられた
ベクトルへと
振り向くと
そこには
私と同じ歳
くらいの女の子が
唖然として
立っていた

アス
「 」
エノク
「大丈夫?」
アス
「強っ!」



面倒になる前に
コンビニから
撤退した

公園

アスと言う
女の子と
打ち解け

アス
「じゃあ同じ学校じゃん?」
エノク
「そうね」
「生徒も増えたから
分からないのも
無理無いわ」
アス
「そっかぁ〜エノクは
エルフなんだ。
魔法はいくつ覚えてるの?」
エノク
「覚え始めだから
氷と風くらい?」

あっちハハ(マナ)と
あっチチ(ラド)に
魔法生成の
イメージを
教えてくれた

今思えば
これから
覚えるには
良い魔法
だったと思う

アスは
興味深々で
魔法の事を
聞いて来る

アス
「魔法ってどんな感じ?」
エノク
「ゼロから生成するの」
「原子、元素、分子を
ルーンを使ってね」
アス
「ルーンて魔力の
エネルギーだよね?」
エノク
「ええ、魔力腺から
ルーンを消費するの」

アスが手をかざし
真似をする

私は
微笑みながら
これまでの
経緯を
説明した

エノク
「私は腕の魔力腺が
退化して生成出来ないの」
アス
「え?じゃあどうやって」
エノク
「こう」

足の裏から
式が展開する

アス
「ええ〜⁈」
「き、器用ね!」
エノク
「リハビリの成果?」
アス
「‥足で生成するなんて」
「去年まで車椅子生活‥」

確かに

障害と言う
スキルの
アドバンテージと
向き合う強さは
信念が問われるし
努力で
どうにかなる
ものじゃ無い

それでも

エノク
「悩む暇も無かった」
アス
「 」
「壮絶‥私なら
どうしてたかな‥」
エノク
「考えるって私
駄目なの」
「追い詰められた時
対応出来ないから」
アス
「か、考えない?
普通は考えるけど」

遠い目で
思う

私の場合
そうやって
考えるのを
やめる

近いものほど
視野が
狭まるから


アスは
私のこの年
初めての
友人となった

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