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半霊半物少女24

エノク
タケ
「侵食者‥?」

「うむ。やはり語るべきでは無い」
エノク
「待って下さい。タケ、会長に調査報告を」
タケ
「あ、ああ。わかった」

私はタケに相槌を打つと、
夫妻から侵食者について
説明を受ける。

それによって
わかった事

全長にして300mを
超える巨体を有し
純粋炭素で構成された体。

先端から高圧縮高出力の
霊波動砲を射出する能力

全体から伸びる
触手は俊敏且つ
鋭利である事。

情報を喰らい餌にする

最後に半霊半物的存在‥

且つネガティヴの権化(ごんげ)


「悪魔と呼称する者もいる」
エノク
「霊的な冷たい存在‥」

「ええ、殲滅が彼らの本質です」
エノク
「 」

和解の術は無い。

殲滅するまで
攻撃をやめない。

それが侵食者だと。


ブレても仕方ない。

娘さんの瀬奈の方に向くと
奥に設けられた休憩所
ドリンクサーバーで
落ち着いた雰囲気で
紅茶を飲んでいる。

私は歩み寄ると
笑顔で話しかけてみた。

エノク
「強いのね。みんな」
瀬奈
「でないと生きていけませんから」
エノク
「流石ね。で?星間条約の証人はどんな人?」

すると、カチャンと
カップを置いた
瀬奈が慌てて黙り込む
顔真っ赤にそっぽ向く。

私は目を丸くすると
瀬奈の両親に向き直る

円満の笑みでうんうん
相槌を打つ二人。

瀬奈は落ち着いたのか
頬を赤らめ

瀬奈
「秘密です」

と答えた。

私は人の幸せを
見るのが楽しい。

これ以上の詮索は不用


「お疲れの様子ですな」
タケ
「ろくに休んで無いんだ。だろ?」
エノク
「タケ⁈」
タケ
「休暇届、出しといたぞ」

苦笑いする。

三時間しか
寝てない事は
伝えまいと伏せた。

エノク
「貴重な時間を頂きありがとうございました」

「何か力になればいつでもどうぞ」


タケに休暇届を
出されたなら仕方ない。


私は会長に
一報入れると、
本社を後にした。

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