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Ragura Floating World80

エノクです

病院へと
着きました

曽祖ハハは
心肺停止の状態
最後に会った時は
まだ元気だった
それなのに‥

ラド
「意識は?」
医師
「たった今反応が」
マヤ
「え⁈」
医師
「エノクに会いたいと」
「この奥です。それと
これが‥」
ラド
「写真‥?こ、これは!」
マヤ
「 」

ママとチチの
反応を見ず
私は走り出す
曽祖ハハの元へ



生命維持装置
繋がれる
曽祖ハハ(サラ)
目を見開き
歩み寄り
曽祖ハハの濡れた
手を握る

全身が水に
浸かって
いたのだろうか
その手は
驚く程に冷たい

エノク
「曽祖ハハ‥?」
サラ
「嗚呼‥」
「エノク」
エノク
「ごめんなさい
一人にさせて」
サラ
「良いのよ‥来てくれた
だけで」

涙腺が緩み
涙が溢れる
曽祖父の
時の様に



サラ
「見れた?」
エノク
「 」

それが
おそらく
チョウワソウ
の事だと
私は察した

エノク
「‥見れた」
サラ
「どんな結果でも
良いわ‥」
「強いあなたなら
‥だから、生きて」
エノク
「 」




握る手の
質量が私に
委ねられた

私は強い‥
だから生きる‥

それが
理解出来た時

曽祖ハハの目が
再び開く事は
無かった



医師やスタッフが
応急処置で
慌ただしく
動く

幻聴の様に響く
緊急治療室

握る手を
そっと離す

頭の中で
ぐるぐる回る
思考、直感が

私を
次の領域へと
シフトするのが
分かった

ゆっくり
チチの元へ
歩く

横たわる
曽祖ハハを
後にした


ラド
「エノク‥ハハは」
エノク
「チチ、来て」
ラド
「何⁈」
エノク
「ママは此処に居て
すぐ戻るから」
マヤ
「 」
ラド
「お‥おい⁈」
エノク
「ミタマ、昨日の場所
分かるでしょ?」

ミタマが頷く

チチは驚愕して
私を凝視する

写真を握り
つぶして

ママも絶句する

凝視する私の
異様な行動

無表情に
ぐるぐると
頭や肩を
回しながら

エノク
「危険と判断したら
直ぐに撤収して構わない」
「お願い、来て」
チチ
「エノク‥」

私とチチは
ミタマが展開した
ポータルへと
入った


久々の奇行が
私の中で
炸裂した

ぐるぐる
循環する

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