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The blue sky of the outlook33

円形状の空間に無理矢理連行され、私とクアルが拘束される。

私は空間の中央に、突き飛ばされ、倒れた。クアルは両腕を掴まれ、私の身を案じる。

エノク
「っ‼︎」
クアル
「エノク⁈」

よく見ると空間の周囲を取り囲む配置でデニッシの男達は立っていた。

まるで式の線で結ぶ点の様に立ち
そう考察していた私の天頂部に足がドカリと踏みつけられた。

そこらのアニメなら好き放題辱められる機会がある筈のこの群衆には、更々そんな興味は無い様子で私を踏み付ける蹂躙に力が入る。

私はグッと堪える。

男は釣り上がって歪んだ笑みを浮かべてようやく喋った。

「さぁ、我らに誓え」
エノク
「⁈」
「我らの掟に服従すると!」

意味がわからない。
掟って何?

「貴様らの様な下賎な種族、我々デニッシ族が統治する!服従せよ‼︎」

蹂躙する足が私の頭部を思い切り
蹴り上げ、私は仰け反った。
衝撃で頭を打った。
少し頭を切ったかもしれない。
クアルが涙声で叫ぶ。

昏倒寸前の私に、訳の分からない掟や戒律を熱弁する歪んだ笑みに反応できない私を睨みつけ、釣り上がった笑みが強張り歪んだ。

「そうか‥聞く耳を持たんか。良いだろう。まずはその眼差し、気に入らんな」
エノク
「‥?」

私の髪を掴み上げると、私の顔面に掌をかざす。

「Blindheit」
エノク「‥⁈」

え¿
今ドイツ語で唱えた⁈
盲目?

みるみるうちに私の視界が闇に閉ざされ、真っ暗になる。
涙が出て‥違う、涙より粘度を感じる。

目から流血してる⁈

私は完全に視力を失った。

エノク
「暗い‥見えない⁈」
クアル
「エノク‥そんな‼︎」
「チッ妙につまらんな。泣いて命乞いくらいはすると思ったが」

私を無理矢理立たせ、盲目の状態で解放された。

「そっちの眼鏡と交代だ。解放してやる」
クアル
「な⁈」

私の背中をドンと押し出され、解放されたと思われた。

「なんてな。Steinefnavæðing」
エノク
「⁈」

今度はアイスランド語で詠唱した。

石化⁈

私の足がズシリと固まっていく。
指先から踵へと進行して行く。
感覚が失われて行く。

私‥死ぬ⁈
その時だった

ナーシャ
「‥エノク⁈」
エノク
「⁈」

ナーシャの声‥?

「遅かったな。お友達がまず一人減ったぞ」
ナーシャ
「エノク!」
エノク
「ナーシャ‥私」
ナーシャ
「大丈夫、必ず助けるから。信じて‼︎」

返事ができないまま私は‥

ごめなさい。

後の事は‥よく思い出せない。

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