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lost kingdom

何度も

何度も

自分の国かと
疑う

失われて

新しい国が
始まって

みんなで
こぞって
暮らしました

此処は
翼竜が
舞い戻って来た
奇跡の国

オウドリーフ




エノクです



9歳くらいに
なりました

て言うのも

生まれてすぐは
テラトマ体から
3歳児に
なってた
みたいで


それに

私が
生まれたのは
十字架の
船内だし

ママは

貴女の
国よ
なんて
言わない

だから

家族構成は
お兄ちゃん
お姉ちゃんと
同じ歳くらい

みたいに
見えてる



今日

パパの
付き添いで
崩落した
遺跡に
来てる

ママが
昔住んでた
古い塔を

私は
見上げる


高い

攻防神が
ゆっくり
空に浮く

パパ

トマリが
遺跡群を
調査していた


トマリ
「特に目立つものは無いな」

ママ

カナが
答える

カナ
「公式の図面さえ
失われてるの
何か隠し扉か何か」
トマリ
「それなら見つかるのは
時間の問題だったろう」
「問題は材質のよく
分からないこの石垣だね」


エノク
「パパ、何か手伝う?」


トマリ
「イーノ達の側に居て」

嗚呼

お兄ちゃんが
魔族の
エトランゼと
話してた

私は
彼女の事を
エトラって
言う

エトラ
「エノク」
エノク
「特に手伝う事もないし」

お兄ちゃん

カズ

カズ
「暇だね。アンドロイドの
収穫次第だよ」
エノク
「ん」

「おーい」

お姉ちゃん
イーノとロカが
呼んでる


イーノ
「ね、この穴」
カズ
「中は見えないな」
「けど」
ロカ
「前は無かった筈」
エトラ
「昨日調べたよね」
エノク
「ん」

特に
変化も
無かった
筈の
この場所

その瞬間

石が突如
足元から
ずり落ちる
音がした

その
隙間から
私は
ずり落ちた

小さな
身体が

何も見えず
落ちる

内蔵が
浮き上がる
不快感

血流も
脳に向かい
集まる様に

私は
真っ暗な
奈落を
落ちる

小さな
穴は驚く程
小さくなって

下から小さな
穴が見える

収穫の無い
調査に
貴重な
意見も
必要だ

とりあえず
奈落を
落ちた先を
知る必要がある

暗がりで
変化も
危険だ

私の
生きる
この世界の
最下層

見てみよう

下から
舞い上がる
風が吹く


目の前の
穴から出る

閉所の
気圧から
解放された
私の
目の前に
広がる
蒼穹

真っ逆様に
落ちる

上空の
大陸が

ぐんぐん
離れて行く

このままだと
戻れない

今日までの
半生
過ごした
場所から
遠ざかってしまう

戻れなく
なってしまう

変化した私は



背中の
粒子加速器官で
舞い上がる

落ちた穴を
探す

ぐんぐん
上昇
しながら

何処だろう?

時間
かかって
しまった

あった


再び穴に
突入する

けど

戻れなかった

上から
降って来た
破片に
激突した
らしい


私は

頭部を
直撃して


一瞬にして

気を
失った


どうしよう

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