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精神世界物語 中編7

はっ!

頬の痛み

昏倒
させられて
いた?

まさか

だとしたら
双子魅様に
叩き起こされてる

神崎雫です

双子魅様が
覗き込む

双子魅
「雫」

「エノラは⁈ゲンは」
双子魅
「離れた様ですね」

殺意の
ベクトルは
ここには無い

ゲンは
意識を失っている
しばらくは
起きない筈

まさか
ベクトルを
彼女に向けた?

エノラが
危ない



「ライト付けて!」
双子魅
「私の輝きでは
心許ないでしょう」

「次は外さない」
「激鉄!」

トンネル内部へと
向かう

救護要請の
現在地を
ログで
送り

私は走った



走る
灯りを頼りに

長い

そして
異様な咆哮と
衝撃が
響く

常人なら
逃げ出すレベル

黒い霊体は
いつ襲って
来るかわからない


「あんなに大きな二方も
エノラを守りきれない
なんて」
双子魅
「代償のリスクが
大きいのです」
「若いせいもあります」

「私のトリガーより?」
双子魅
「彼女は失うわけに
いきません」
「近いですね」

「瓦礫が‥?」

確か
報道では
トンネル内部で
崩落があったと
聞いている

内部は
崩落の瓦礫

足元も
不安定だ

足元を
留意して
進む

瓦礫が
大きく足元を
遮り始めた頃

エノラの
足が見えた

「エノラ!」

ダラリと
顔半分
流血が垂れ

崩落した
瓦礫で
沈黙する

エノラの
姿があった

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