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Sacred Nail of Exeveria 1


惑星アクロギス

エグゼヴェリア

その
小国に位置する
駐屯基地に
僕は駐在
している

僕はクナイ

テトラ遊撃部隊の
新米パイロット

かつて
デニッシ族の
苦い汚名を背負い
純粋エルフの
種族を返上された
150年後の未来に
僕は生きている

エグゼヴェリアの
防衛省の
巨大な壁が
破られた被害は
甚大だった

聖釘と
呼ばれる
巨大な強襲兵器
その存在は
公の場で
噂される事なく
沈静化する

侵食者の襲撃に
あったとも噂され
情報もあてにならず
僕達が出動要請
する事態は
すっかり
無くなった

ぬるま湯に
浸からない
程度の戦闘訓練

そんな程度は
シミュレーターで
出来るから

基地で
埃を被りつつある
高機動汎用戦機



整備が万全で
仁王立ちする
勇士を
遠い目で
眺める日々が
続いた

僕の担当する
整備班が背後から
声を掛ける

整備班
「これが平和って
もんだろ」
クナイ
「‥はい」

これだけ暇なら
帰郷でも
すれば良いと
言うが

クナイ
「母が一人」
「防衛省に勤めて
いました」
整備班
「 」
「無事なのか?」

クナイ
「もう居ませんよ」




ブリーフィングの
控え室にある
自販機に
ユング隊長が居た

ユング
「間違えて二本
買っちまった
飲め」
クナイ
「あ、ありがとう
ございます?」

ベンチにドカリと
座る隊長
しかめ面で話す

ユング
「情報は伏せられた」
クナイ
「口を噤めって
事ですか?」
ユング
「この有り様だ」
クナイ
「強襲兵器の
噂も聞きません」

見た者はいないと
上官が説明している
隊長のこの有り様と
言われれば
無理もない


沈黙を破って
隊長は話す

ユング
「上の話は信じんな」
クナイ
「上の‥何処までです?」
ユング
「俺でさえもな」
クナイ
「‥⁈」

フッと笑う隊長

クナイ
「隊長を信じて
此処まで来ました」
ユング
「だからよ」
「ニールもコダチも
良い子ちゃんだ
‥だからお前に話している」

よく分からない

隊長の裏の顔でも
あるのだろうか
そして疑えと

続けて答える

ユング
「部下を守りたいなら
お前が守ってやれ」

そう笑うと
隊長は僕から
離れて行った

そしてしばらく
たったある日
ハンガーから
隊長機が
ゴッソリ
消えていた


テトラ遊撃部隊の
小隊長は
ユング隊長から
僕へと変わる

もっと彼から
学ぶべき事が
あった筈なのに


そして

埃を
被りつつあった
高機動汎用戦機が
実戦投入する事態が
目前まで
迫っていた‥


仮初の平和が
嵐の前の
静けさだった様に

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