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蒼穹の見聞録29

うぷっ

群発頭痛
嘔吐

自立心を
無理矢理
いじられ

集中力が
散漫した

からの
義体の
ヒビ

極限状態の中
マズイ

たまらず
詠唱する

エノク

「聖釘‼︎」

極限状態での
聖釘

自立支援で
発砲
するも

対象から
外れ

照準は
正確さを
失い

寸前の
距離で
命中を
免れる

金閣
銀閣は
次の
態勢へと
移行する


巨大な
瓢箪ユニットは
四分割に
裂開

黄金の
力場を
形成

私達は
あっという間に
瓢箪ユニットの
裂開した
内部へと
飲み込まれた

エノク
「はあ‥!はっ‥」
「‥⁈」
蒼穹
「エノク!しっかり⁈」
エノク
「 」
「‥え?何、どうなってるの⁈」

蒼穹
「閉じ込められたっスよ!」
エノク
「そ、そんな‥‼︎」


見渡すと

裂開した
ユニットの
内部から
黄金の
力場が
形成されている

なるほど

ユニットの
結界領域内

これが
金閣銀閣の
第二形態

此処からが
本番か‥

私は

結界の
外から
暴れる
聖釘を
回収し
納めた



中央区
司令本部

ママが
心配して
いた

遥華
「エノク‥。リリィ、翼の手配を」


リリィ
「今、姉さん達が」
遥華
「お手数を、おかけします」
「エノクの義体にヒビが」
リリィ
「旅立ちには、不用な義体では?」
遥華
「分かっていますが、模擬戦とは言え」
「改良された聖釘が、成果を上げるには、荷が重いのです」
「紀伝の金閣銀閣とは訳が違うのですよ」

リリィ
「遥華様。この課題、エノクさんに賭けてみては?」

遥華
「賭け‥ですか」
リリィ
「エノクさんの戦術、信じてみては?」
遥華
「 」
リリィ
「彼女、まだ諦めてはいませんよ」
「ラドゥウリエル様を、先生と呼んでます」

遥華
「先生‥」


遥華
「嗚呼‥何と良い響きでしょう‥」
「私も、先生と呼ばれてみたいものですね」

リリィ
「遥華様‥」
「まさか、人類の師弟を目標にされているのですか?」

遥華
「愛する我が子の、人類の輝きを、守る為ならば、手本を目指したいのです」


先生

その
響きに
憧れを
隠せない

ママの
表情は

笑顔に
満たされていた

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