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半霊半物少女12


私と瓜二つ
片割れと説明し
仮面を被り
素顔を見せた

蒼穹(そら)‥

もう、会えないのかしら?





眠りから覚める
眠るまで泣いていた

白いベッドの
シーツが湿ってる

ベッドに横たわり
初めての私より低い
目線に映る

タケの姿




付きっきりで一夜を
過ごし、
眼をこすりながら
立ち上がる

エノク
「痛‼︎」

まだ右肩が痛む
一応病院で診て
処置してもらったけど

骨は折れていたとか
言っていた。

タケの目が開いている

私に気付いた。

タケ
「よ」
エノク
「‥ん」

痛むだろうか
身を案じ
軽い会話をした

バルトロマイの
お互いの経過とか


エノク
「それで、どう?」
タケ
「お前こそどうなんだ?」
エノク
「折れてた」
タケ
「騒ぎは起こしたくないとか、無茶言うぜ‥」

あの後、タケは倒れた

G-bartの搬送先は
もちろん病院。
私も救急隊に保護されて
今に至る。


思い出したく無い
二度と関わりたく無い
デニッシの時以来

それ以上の体験

タケが私の手に触れる

タケ
「まだ震えてんな」
エノク
「こんな事初めて」
「タケ、ヤンさんの連絡先まだ消して無い?」
タケ
「ああ、まさか助けに来てくれるとはな」

タケはドック内から
施設内に侵入する直前で、
テツさんの乗る
重機が入って来たと
説明した。

エノク
「もう少し遅かったら、完全に見失ってたわ」
タケ
「待って正解だったか」
「もう少しで行動に移す所だったぜ」
エノク
「 」
タケ
「‥?どうした?」

パパとママが駆けつけて来た。

少し息を切らせて

ガラキ
「学校から連絡を受けた。どうだ?」
エノク
「私は肩。タケは‥」
サラ
「タケ君⁈」
タケ
「喧嘩して返り討ちにあったス」

眼を合わせるパパとママ‥

パパ
「それは喧嘩で受ける傷では無いな」
「説明できるか?」
エノク
「‥ん」




デニッシの時は
ブレなかった私が、
今回はたった一人に
メンタルをやられた。

説明を聞いたパパとママ。

表情が曇る

ガラキ
「お前が創造主と。そう言ったのか」
エノク
「私‥弱くなってるかしら」
サラ
「エノク‥」
ガラキ
「これは強さの問題では無い」
エノク
「え?」
ガラキ
「エノク、これが初めてでは無いな?」
エノク
「 」
サラ
「あなた、エノクが震えてるわ」

デニッシの時は
まだ説明していなかった。

白状する。
二人が目を見開き
聞いていた。

エノク
「大丈夫、視力は戻ってる」
「‥でも」
ガラキ
サラ
「 」

今でも思う
彼らにとって
あれが最初で最後の
奇襲だったのか‥と

私はもう自分が
創造主である事は
伏せたい。

そう思ったら余計に
涙が出てきた。

私はこれから

どう向き合って
行けば良いのだろう。

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