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精神世界物語 中編3

屋上に
出る

そよ風が
心地良い
反面

背後から
男子生徒の
ゲンが
付いて来た

チリチリと
嫌な
匂いを
絡ませて

ゲン
「なあ、祓うって
どうすんだ?」
エノラ
「人には見せられないの
ゲンなら大丈夫だけど」
ゲン
「?」

集中

私の周囲から
風が立ち込める

その風をゲンに
目掛けて放つ

ゲン

「おわあ!」

エノラ
「匂いは‥?」

チリチリと
絡まる
嫌な匂いは
切り裂かれ
舞い散る
様に消える

とりあえずは

ゲン
「す、凄え!どう
やってんだ⁈」
エノラ
「はい、おしまい!」
ゲン
「はあ⁈」
「お、おい待てよ!」

ゲンは
興奮気味に
舞い上がっている

昏倒するかと
心配したけど
なんとか
平常を装った

屋上を出る

階段を
降りながら
ゲンが
呼び止めた

ゲン
「なあ!エノラ一体
何したんだよ」
「アレで祓ったのか?」
エノラ
「まぁ、そんなとこ」
ゲン
「凄え!魔法使えるのか⁈」
エノラ
「魔法かぁ、良いわね」

魔法だったら
どれだけ
良いだろう

身を
削ってでも
祓ってみせる

匂いの姿が
定着してたら
昏倒レベルでも
払えなかった

とりあえず
良かった

エノラ
「匂いが心配なら
禊はちゃんとする」
ゲン
「みそぎ?」
エノラ
「命の洗濯、お風呂は
毎日入るでしょ?」

ゲンに
向き直る

何だろう

ゲンは
私に反応を
示している

聞いてみようかな?

そのタイミングで
チャイムが
鳴り出した

エノラ
「やば!チャイム⁈」
「ゲン、授業始まっちゃう!」
ゲン
「あ、ああ」
エノラ
「走るわよ、はよ!」

一目散に
教室目掛け
走った

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