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半霊半物少女38

イーノでっす!

来たーーー!
ママの退院日!

散々待って迎えた
この日の為に
どんなサプライズを
考えた事か

カズに、
結局
決まらなかったな
とか言われる始末。

なんか悔しい‥

仕事でパパが
来れない理由に
ママが突然奇行に
走り出したのは
私も想定外でした。

イーノ
「ママ、家と逆方向だよ?」
エノク
「まぁ、ついてらっしゃい」
ロカ
「何処行くの?」
エノク
「ロカ、言葉上手に
なったわね!」

ママがロカをぎゅっと
抱きしめた。

胸はまだ痛むみたい。

表情は少し辛そう。

イーノ
「大丈夫?」
エノク
「リハビリよ」
イーノ
「リハビリで何処向かうの?」
エノク
「ドクと連絡取ったの」

‥誰だろう?
私の知らない人だ。

そもそも痛み止めの
処方も断ってママは
目的地に向かい、
住宅ビル街とは
正反対の街外れに
向かっていた。

車掌のアナウンス

イーノ
「‥上古代湖?」
エノク
「痛み止めの処方は、
こっちで処方して
もらう事にしたの」
イーノ
「痛みを我慢して
此処まで来るなんて‥」
エノク
「それでもよ。処方も
大事だけど、縁はもっと大事」


これはママと
私だけの
秘密‥

ママの侵食者から
受けた傷痕は
普通の傷とは違う。

スキルとなって
その先も‥残るって
病院の先生が言ってた。

傷は治っても‥

目が潤む

イーノ
「ママの痛みが効くなら‥」
エノク
「効くわ」
イーノ
「また一緒に生活
できるんだから」
エノク
「泣いて帰るより、
此処で泣いた方が
マシでしょ?」
イーノ
「う‥」

ママは遠くを
見ていた。

何を思い見てるのか
それはママにしか
わからない‥

駅に到着するまで
泣いた




上古代湖駅前

イーノ
「それで、何処?」
エノク
「アレよ」
「ドク!」
イーノ
「‥半魚⁈」

ドク
「聞こえてるって」
「子供も一緒か?」
エノク
「ええ、それで、
お願い出来る?」
ドク
「ああ、けどな」
エノク
「ん?」
ドク
「呪いの処方は無えぞ」

ドクン‥

エノク
「 」
ドク
「タケから聞いた」

エノク
「あら‥」
イーノ
「 」
ドク
「タケに嘘言うなよ。
あの馬鹿には嘘は
100年早えって言ってたぞ」
エノク
「 」 
ドク
「クアルって言ったか?
専門はそっちだろ。
それか、覚えて無いのか」

ママの笑顔が怖いです‥ 

ドクって人は鈍いのか、
ママのベクトルに無反応。

ドクって人は
子供達と一緒で
二人の小さな子と
一緒でした。



ドク
「ほれ、強めだから
辛い時に飲め」
エノク
「ありがとう、ドク」
「イーノとロカよ」
イーノ
「イーノでっす」
ロカ
「‥ロカ」
ドク
「アオとミナモだ」
エノク
「二人共女の子‥」
「ねぇ、クアルの事
何処で知ったの?」

ドクって人は、ママが
侵食者にやられた時に
みんなで集まって
ママのサポートを
する為に一同合流
したみたい。

この人も駆けつけて
くれてたみたいです。

私は知らなかったけど。

ドク
「タケの提案だ。
必ずクアルか
俺んとこに来るって
言ってたからな」
エノク
「‥参りました」

ママは笑顔で返した。

エノク
「ねぇ、あの子に会わせて!」
ドク
「ああ、テツオか。待ってろ」
「あ、あっちの
方かも知れねーな」

テツオ?
誰‥?

ドク
「向こうだ」
エノク
「ありがとう!」
「二人共、こっちよ」
イーノ
「ママ?」



ズシン‥

私の目の前に現れた
巨大なロボット‥

思わず尻もちついた。

イーノ
「な、何コレ⁈」
エノク
「紹介するわ。テツオよ」
イーノ
ロカ
「 」
テツオ
「初めまして、
テツオでございます」

イーノ
「あ‥は、初めまして‥」

ロカはキャッキャと
はしゃぐ。

それにしてもデカい‥

イーノ
「ママ‥コレってデカいままなの?」
エノク
「趣味でデカくなるのよ」

う‥うん。
よくわかりません。

結局、ママは帰りに
自販機で水を買って
お薬飲んでからは
痛みに苦しまずに
無事に家に帰れました。


‥出迎えたパパの
笑顔が終始
怖かったです。

ママも円満の笑顔で
返すベクトルに

ロカがリビングの
カーテンの中で
ブルっていました‥。

こうして
私達、我が家の家庭は
無事元に戻って
来ました(?)


おしまい!

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