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半霊半物少女35



イーノでっす!

ママの退院が
一週間後に決まりました!

魔法医療機関の技術は
日々進歩しているけど、
培養血液って
どうしても一週間は
かかっちゃうんだって。

血液の寿命って短いじゃん?
だから、培養血液は少しずつ
生きて死んでを、
繰り返しで
培養するんだって。

早すぎても遅くても
一週間が限界。

パパはママの分まで
仕事した。

私は料理覚えた。
レシピ調べたの

ロカは食器運び
何枚か割った笑

カズは‥




イーノ
「何してんの?」
カズ
「うわぁ!」
「急に入ってくるな!」

んまぁ、のっけから
ベクトル向けちゃって。

イーノ
「ママ心配してたよ。
ちゃんと仲直り出来て
るのかって」
カズ
「‥それは、大丈夫だ」
イーノ
「‥そ」

私とカズは双子。
だから同じ学校、学年。

なのにガードキツい。
別に良いけど。



病院にお見舞い来た

ま、そんなカズだけど、
病室でママとこっそり
話してた。


エノク
「良かったわ。ちゃんと
仲直り出来たのね」
カズ
「ママの言った通りだ。
パパの様に待ってみたんだ」
「も、もちろん先に謝ったよ」

ママがカズに触れた。
カズが目を見開く

エノク
「タケより、ベクトル強いから」
カズ
「‥そうなの?」
エノク
「私が出会う前は、
きっとカズくらいは
強かっただろうけど」
カズ
「‥‥」
「傷付けたく無いのに」

カズの表情が曇る


エノク
「気持ちはわかるわ」
「顔出てるから。けど、
その強さは時として
必要なものよ」
カズ
「‥うん」
「あのさ、ママを苦しめたあの」
エノク
「侵食者ね」
カズ
「うん、全部奈落に落ちたよ」

生気を失った
300m以上の巨体は
奈落の絶海に向かって
次々と落ちました。

その光景をニュースの
報道で私達は見る事が
出来ました。

それは一体ではなく
他のランドシップに
取り憑くように籠城していた
侵食者もまとめて‥


ママが倒したのは
私もカズも知ってる。

パパは絶対に
内緒だぞって。

カズ
「アイツらがどんな
奴だったかなんて
俺はどうでも
良いんだけど」
エノク
「ん‥」
カズ
「また相談を出来ないまま
ママと別れるのは‥」

カズが震える
ママはそっと
カズに触れたまま

カズ
「嫌だ‥」
エノク
「ちゃんと生きてるわ」
「門前払いもされた」
カズ
「‥?」
エノク
「私の前では泣くのね」

ママがクスっと笑う。
カズも微笑む

壁越しで聞いてたけど
友達の相談は
それ以上無かったかな‥

ちょっぴり貰い泣きした。

何か喉乾いちゃった
ロカと自販機に行こっと


おしまい!

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