見出し画像

半霊半物少女2


お姉さんのご両親

初めて会いますが‥

端末のデータベースに
ある程度の
会話内容くらいは

こちらでも知ってました。

アプリが一人歩きし
データベースに
送られて来る内容。

すり鉢嵐を飛ぶ
お姉さん達を
傍観する様に。

エイマは、
こんな事なら
お姉さんにこっぴどく
責められる方が
良かったと思った。

それなのに‥


女子寮の広場
エントランスで出会う
お姉さんのご両親


エイマ
「あ、あの‥」
サラ
「初めまして、エイマ」
エイマ
「わ‥綺麗」
サラ
「あら」
ガラキ
「何と、エノクより若いとは」
エイマ
「は、初めまして」
ガラキ
「如何にしてエノクの端末に?」
エイマ
「じ、実は‥」


エイマは説明する。

落ち着いた雰囲気
とても凛としたママさん
ビシッとしたパパさん‥

育ちの環境が良い訳です。

ガラキ
「量子チップに手を出すとは」
「出来る事ではない」
エイマ
「安物のチップだったんです」
ガラキ
「そうであったか‥」
「君に礼を言いに来た」
エイマ
「そんな、エイマは」

歴史的惑星規模の変革
島ごと飲み込まれる運命

その実体から
岩礁を避けるべく
プログラムした偉業

濃度層
いえ‥
濃度壁の
表示プログラム。

ガラキ
「端末を支配してでも、娘をタケ君を導いてくれた」
エイマ
「 」
ガラキ
「当の本人に礼が言える」
エイマ
「傍観者です。ただの」
ガラキ
「君の父ユリとは古い友人だ」
エイマ
「ええ⁈」
ガラキ
「必死に食い下がったと聞いている」
エイマ
「 」
「そ、それでも」
ガラキ
「私は誇りに思う」

涙腺が‥
涙目になる

目一杯の葛藤を漏らす

エイマ
「やめて下さい‼︎エイマは、本当に何もしてないんです‼︎」
「当の本人は壊れました‼︎それなのに‥」

お姉さんに
出来る事はしたくて

お父様に食い下がったけど

お姉さんもタケ先輩も‥

ガラキ
「2人共快く受け入れた」
「悲観する事は無い」
エイマ
「う‥」
「おじさま」

ガラキ
「君に礼を言いたかったのだ」
「感謝する。ありがとう」

泣き震えるエイマを

ママさんがそっと
抱きしめてくれた

サラ
「とても立派よ。エイマ」
「私からもありがとう。ね」
エイマ
「おばさま」
サラ
「エノクが元のエイマに戻してあげてって」


責めるのは簡単だけど、
褒めて支える人の力になり

今を生きて礼を言える事
それが出来る奇跡は
そう無いとママさんは
語る

お姉さんずるいです
エイマにこんな
サプライズを
企むなんて‥

終始泣いて

そうして
エイマは立ち直りました。


もう
端末に負けては
いられません。




エノク
「んん‥ぐすっ」
ミオ
「エノク、何泣いてんの?」


女子寮の
フェンスに隠れて
お姉さんが
もらい泣きしているのを
ミオ先輩にバッチリ
見られたのは


内緒にして下さい。



端末からメロディが鳴る。

着信

ピッ

エイマ
「はい、エイマです」
「叔父様?」

「‥え?」
「従姉妹が?」


ええ‥


従姉妹がこっちに来る
だそうです‥

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?