Ragura Floating World81

ぐるぐる
回るベクトル

正転と後転
それぞれの
ベクトルを圧縮
させ循環する

摩擦による
エネルギーの増幅
大きなものでも
惑星と引き合う
衛星まで届く
現象もある

確か
フラックスチューブ
だったかしら

同じ原理が
頭の中で回る

曽祖ハハとの
涙の別れが

何があっても
私を強く

どんな事があっても
私は生きる為

彼らの暴挙に
屈する事なく

エノクです

悪漢の群れが
私とチチを
迎え入れる

私は
ぐるぐる頭と
肩を回しながら
無表情で
悪漢の群れを
凝視する

注射器を持つ
悪漢も居る

にっこり笑う

男
「写真見た？」
エノク
「知らない」
男
「おかしいなぁ」
ラド
「‥貴様ら」

もう良い
終わらせる

イメージは
充分だ
詠唱

グランエクレール

刹那
正転と後転の式が
急速に回転する
摩擦
その循環の
エネルギーが
放電して
私の髪が静電気で
舞い上がる

足元が一帯を
黄金で覆うと

悪漢が
黄金を纏い
奇妙なダンスを
踊りながら
感電する

表情から
目鼻口さえも
放電して光る

その光景を
見届けた私は
ヒューズが
飛ぶ様に
昏倒する

後のことは
分からない

チチ
後はお願い

---

ラドだ

どうかしたのか
エノクの奴

無表情に
頭、肩と
ぐるぐる
回し始めた

小学生なら
精神的に
ぶっ壊れても
不思議じゃないが

写真？

嗚呼‥

ハハは

そうだ
連中に殺された

古代湖に浮かぶ
ハハの‥
変わり果てた姿を
自撮り写真で
送りつけてな

次はそっちから
来いと書いて

結果
心肺停止

エノクの対面で
息を引き取った

捜査のプロ
とは言え
救えない
命もあるが
これは最悪だ

だから
エノクの
心理状況が
心配だったが

あいつ‥
魔法生成を
次の領域に
シフトして
いやがった

それも
極大の
雷魔法‥

ルーンを使い切って
昏倒したが

嗚呼
今
病院へと戻った
捜査本部に
通達してな

後は下の仕事だ
しかし‥

マヤ
「エノク！しっかり」
ラド
「ルーンを
使い切っただけだ」
「その年で極大魔法
とはな」
マヤ
「極大‥？」
ラド
「見ろ、起きるぞ」

エノク

お前一体‥