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Ragura Floating World

絶海から浮上する

それは次々に
海面から姿を
見せていく

ラグラを守る攻防神

街の街道に映る
報道ディスプレイに
目が映る。

遠くを見る様に

「カズ、また遠く見てる」

隣でマヤが話し
かけてきた。



カズ
「ん?あ‥癖だよ」
マヤ
「知ってるよ、そんなの」
「で?私の事家族に
相談しちゃったの?」
カズ
「いや‥出来ないよ」
マヤ
「ふうん。ベラベラ
喋ると思ってた」

口の軽い男だと思って‥

マヤ
「あ、ちょっと」

マヤを置いて歩き出す。

助けたいと思った。

それだけで複雑な
関係になると
思ってなかったんだ。

ママの護衛はもう解放
された筈なのに

彼女は魔法使い‥

いや、エルフだから
使えて当然だけど、
ママの高校時代の友人で
マナって人の娘らしい。

耳片方だけ無いのは
デニッシ族の
人質になり
耳を切り落とされた
過去を持っていた。

俺達まだ小学生だぞ?
エルフの耳は掴まれただけで
死ぬほどの痛みを伴う。

それなのに‥

カズ
「いつまで続くんだよ」
マヤ
「何が?」
カズ
「デニッシ族との
いざこざだよ」
マヤ
「それなんだけどさ」
「解決しそうなんだよね」

どう言う事だろう?

マヤの話では、
デニッシ族はラグラから
アクロギスへの
惑星追放に向け
無条件で投降する
動きを取ったらしい。

カズ
「そんな事あるか?」
マヤ
「君のママは何も
話さなかったの?」
カズ
「ママの話は‥するな」

前を向くと決めた
掘り出すな
いちいち‥

マヤ
「ぶった斬る気は無いけどね」
カズ
「?」
マヤ
「影落としすぎ」
カズ
「 」

ぶった斬ってる
じゃないか
思いっきり‥

マヤは俺を置いて
先に行ってしまった。

ママ‥難しいよ
コイツら。

ママの事を最後まで
守ってくれた
有難い存在だと
思っていたのに


手のひら返された気分だ。

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