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半霊半物少女6


学校での授業を終えて

昼休みに入る




エノク
「わぁ〜」
タケ
「初めてか?屋上」
エノク
「いつも食堂だったり散歩だったりしたから」

秋の風は半袖では肌寒い。
私達は長袖で衣替えしている。

屋上は古代湖の
伏流水が溢れて
校舎から流れ落ちる
仕組みになっている。

屋上は庭園の様に
憩いの場となっている
流れる流水の音。

こんな場所なら
もっと早く来たかった‥

私の髪が靡く。
もうカチューシャ取っても
良い頃かしら?

そう思っていた矢先だった。


突然屋上に響く怪音
その場にいた誰もが気付く

私達の目の前に現れた
螺旋に廻る巨大な発光現象

エノク「 」
タケ「な、何だ⁈」

発光する巨大な螺旋から
ズズズと響き渡り
現れた巨大な鉄塊に
私達は驚愕する。

騒然とする生徒達
大半の生徒は
屋上から逃げ出した

彼ら以上に驚愕した
私とタケは目を見開く

何故なら、私とタケは
それを知っていたから‥

エノク
「う、嘘‥」
タケ
「何でこいつが⁈」



ルースでの両親救出の際
何度も目撃した
巨大なユニット‥

タケ
「な、奈落に落ちた鉄塊が‥」
エノク
「‥どうして‥此処に⁈」

嵐で落ちた
ユニットが何故
残っていたのか

それはわからない
あの時と比べて小型化
されてはいるけど‥

それでも
更に驚愕はまだ続く。


タケ
「誰だ?」
エノク
「人が‥浮いてる」


太った体格と
派手なスーツを纏う
片方だけの眼鏡‥
裸眼の目を細め

異様な男が
不気味な笑みを見せ
見下ろしている

背後に浮遊する
複数の水晶が光り

その光景が人間らしさを
失っている。


私は唯ならぬ不安と恐怖で
心が揺らぐ。

嵐の日の時の様に

タケが守る様に
私の前に立ち

睨む。

警戒と共に
全身に感じる恐怖が

蛇に睨まれたカエルの様に
硬直するしかなかった。


誰‥?この人

男はセルフワイドの
顔で表情を変えず
何かを調べて特定すると

私に視点を定め
ニタリと
更に笑う。

細めた眼光が
見下ろしたまま見開き、

私はその形相に後退する

タケ
「そのユニット‥そいつで此処をどうするつもりだ?」

男はゆっくり答える

「初めまして。ラグラの姫君」

明らかに私に
視点を定め

見下ろして‥

え?



今、何て‥?

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