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蒼穹の見聞録28

エノクです

模擬戦
とはいえ

目の前に
立ちはだかる

数百mの
攻防神

その
形状は
瓢箪

相手となる
金閣銀閣は

瓢箪の
先端部へと
接続された

エノク
「蒼穹、金閣銀閣に何か呼ばれても、絶対に答えては駄目よ」
蒼穹
「どうなるんスか?」
エノク
「この、巨大な質量‥閉じ込められたら出られないわ」
蒼穹
「あ〜」

照準を
金閣銀閣に
合わせて

聖釘で
ワンキル

その筈

金閣
「エノク、エノク⁈‥蒼穹よ!答えよ」
銀閣
「応答願う。誰か‥返事を!」
エノク
「 」
蒼穹
「ゴニョ(エノク、これって聖釘呼び出しても大丈夫?)」
エノク
「 」

しまった

ワンキルで
仕留める
手筈が

金閣銀閣が
瓢箪
ユニットへと
接続される
前に



手を
打つべき
だった

ごめんなさい

模擬戦を
前にして

私の
ミス

先生は
表情一つ
変えず

私達の
出方を
伺っている


それでも

せっかく
出された
この課題を

放棄する
訳には
いかない

金閣
「エノク!話し合おう!」
銀閣
「何故、沈黙する?意味は無いだろう⁈」
「人の世を前にして、その様な対応」
「良いか、エノク。それでは誰とも分かり合えはしないぞ」

金閣
銀閣
「 」


急に
沈黙した

私達に
向ける

その
ベクトルの
圧力は

想像の遙か
斜め上に
向かい
発せられた



エノク
「 」
蒼穹
「?」

金閣
銀閣
「‥悪鬼が怖いか?」
エノク

「‥っ‼︎」


金閣

「守秘義務を守り抜く、インターロックの楔‥」
銀閣
「不憫よな」
エノク
「 」

頭を
打つ
群発頭痛

吐き気が
襲う

蒼穹が
心配している

私の
義体は
ミシミシと
必死に
耐え

ついには
嘔吐
していた

そこからの
追い討ち

金閣
「ソムドエンゲラ」
銀閣
「プラス1‥」
エノク
「 」

ドクン‥

え‥?

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