5 見えないの
学校
帰り
仲良くなった
雫とエノラで
帰る
エノラは
アルビノ
話せば
明るい
雫は
黒髪で
少し
落ち着いた
感じ
エノラ
「え⁈学校まで走って来たの?」
雫
「もしかして、体育系?」
エノク
「ん〜?嬉しいと走り出すの」
体育系とは
違うと思う
どちらかと
言えば
インドア?
エノク
「そんなに、足早くないけど」
此処で
匂いがした
気がつくと
エノラも
反応していた
エノク
「ビルの上」
エノラ
「分かる⁈」
エノク
「黒いの」
雫
「二人とも、それは見ない方がいいよ」
エノラ
「分かってるんだけどなあ」
エノク
「ん。絡まれると厄介」
雫
「あるの⁈」
エノク
「なんとか振り切った」
雫
エノラ
「 」
エノラ
「足、そんな早くないって言ってなかった?」
エノク
「ん。走るのは苦手」
二人は
顔を見合わせる
私は
少し俯き
黙る
雫
「見えないものは、厄介なものばかりだし」
エノク
「そればかりじゃないし」
「自分の事もあるし」
エノラ
「あ〜、何となく分かる」
雫
「無理して話さないで良いからね」
エノク
「ありがとう雫。知ったら、ちょっと傷つくから」
「そこまで私、強くない」
エノラ
「 」
エノク
「ちょっとお腹空いてきた」
エノラ
「給食食べたよ?」
エノク
「そっちじゃないの」
「こっち」
雫
「⁈」
エノラ
「何、それ⁈」
オレンジの
プルプルを
一気に
口元に
押し込んだ
エノク
「ルーンだよ」
雫
「これが?」
エノラ
「エノク、魔法使えるの?」
エノク
「ん?魔力腺持ってるけど、魔法はまだよ」
「私ね」
もじもじ
しながら
証言した
ママ
これくらいは
話しても
良いよね
エノク
「私、魔女だから」