The blue sky of the outlook40
工場見学の事前に渡された物。
耳栓とヘルメット。
私とノイルは、初めての装備品に
前後逆に装着した。
私達の小さな頭には大きすぎた様だ。
耳栓はジェルシリコン素材で、騒音を完全にシャットダウンしてくれた。
耳栓の内部にノイズを遮断するチップ状の装置がある。
ゴツい人は私の端末にデータ名刺を渡してくれた。
エイマ
「ヤン社長から名刺頂きましたよ」
タケが口をポカンと開けるが
スルーした。
ヤン
「イチ急遽来客だ。持て成せ」
イチ
「マジか兄貴!わかった、ドックに向かう」
ヤン
「ああ。こっちも向かう所だ。テツ、合流だ」
テツ
「あいよ!」
上空から18mはあるロボットが轟音を立てて飛んで行った。
エノク
「凄い‥工場の上を⁈」
ヤン
「数ある会社でうちを選んだのは何故だ?」
エノク
「え?私ですか?」
ノイルの事じゃない‥自分もバイト先見つけなきゃだし、そう考えたら、働きたいってだけじゃ動機もあったもんじゃない。
そう考えたらどう説明したら良いかわからなくなってしまう。
私は口元に手を当てて自問自答する。
少し沈黙した後、切り出してくれたのはヤン社長だった。
ヤン
「この巨大都市の基礎を見た事はあるか?」
エノク
「そう言えば‥」
古代湖のドクの家に向かう途中、ちらっと見えたのを思い出す。
エノク
「オノ・ラン外回りの列車で一瞬だけ見た事があります。一体どんな構造なんですか?」
ヤン
「良い質問だ」
ヤン社長の口元の変化をテツは見逃さなかった。
エノク
「この街の基礎を見る事ってできるんでしょうか?」
ヤン
「工場の最下層を案内してやる。そこに全てがある」
エノク
「はい!お願いします!」
テツ
「嬢ちゃん、前見えてるか?」
エノク
「サイズ大きいかも‥あの、私エノクです!」
テツ
「ハハッ宜しくな!」
見てみたい。
この街の事、もっと知りたくなってきた。
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