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ブロッサム

蒼穹の見聞録

彼の事は

私と
エノクしか
知らない

如何なる
検索にも
該当しない

彼は
エノクを
創造主として
目覚めさせた

達観せず

慢心も無く

ママが待つ
回廊に立つ

厳格ある
眼差しに

姿勢正しく
エノクを
凝視する

エノクを
姫君と呼び
創造を
レクチャーした

澄んだ
低い
口調で
エノクを
導く


エノクの
起源は
アルゴリズム伝記

もう一つの
タイトルを
あげるなら

オリジナルアルバートオデッセイ

本名に
至っては
触れては
いなかったが

アルバート家
第四王女

アルゴリズム伝記より


異端審問に
捕らわれた
母カナが
聖杯を打たれ

王族の
人間から
バムイ族の
混血として

十字架の船内で
エノクは
誕生した

彼が
エノクを
姫君と
特定出来たのは

この対面を

遥か
起源から
最初で
最後の
出会いの為に
備え

待ち続けた
事になる

創造主として
目覚めた
エノクを
受け入れ

彼は
後退し

進路を譲る

それ以来

一切
神々の
表舞台に
姿を見せる
事はなかった

博士は

再現した
ブロッサムを
不思議な
眼差しで
見つめる

曖昧な
回答だったが

面識は
薄い程に
会える存在
では無かった
筈だ


だから
この
ヴィジョンは
エノクと
私だけ

一度思い出したら
忘れられない

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